特殊支配同族会社の役員給与損金不算入制度は未だ数多くの申告ミスが生じているようだが、3回目を迎える20年度分申告からは、複雑な基準所得金額の計算に新たな要素が加わることになるので注意が必要だ。
というのも、次回分申告からは税務上の繰越欠損金控除期間が7年に延長された改正が基準所得金額の計算に影響してくることになるからだ。
欠損金控除期間の延長そのものは一般的に言って損金不算入額の減少につながるものの、その効果を現実のものとするためには、より複雑かつ正確な基準所得金額の計算が必要になり、この点が実務家にとっては見逃せない問題となっている。好評を頂いているこのシリーズ最新版では、この問題への対応策を数回に分けて紹介する。