平成29年度税制改正要望④金融庁~CFC税制の見直しに際し事業実体を有する外国子会社への配慮を要望
金融庁は8月31日付で、「平成29年度 税制改正要望項目」をとりまとめ、公表しました。
国際課税関係では、金融のグローバル化への対応として、①「外国子会社合算税制(CFC税制)の抜本的見直し」と、②「クロスボーダーの債券現先取引(レポ取引)に係る税制の見直し」(財務省共同)を要望しています。
①では、現行のCFC税制については、例えば、航空機リースを営む外国子会社等の所得に関し、租税回避目的が無いにもかかわらず、一律に合算対象になってしまうとの問題点が指摘されています。この点、BEPS最終報告書では、「経済活動又は価値創造の場で課税をする」との方向性を示しており、今後、CFC税制の見直しが行われる際には、租税回避目的がない事業(外国で価値創造を行っている金融・保険業、航空機リース業など)が合算対象とならないよう、ビジネスの実態に配慮することが要望されています。
②では、国内金融機関が債券を売却し、一定期間後に買い戻すレポ取引については、金融機関の短期資金の調達を円滑にするという観点から、外国金融機関等が日本の金融機関等から受取るレポ差額については非課税とされています。しかしながらこのレポ特例の対象は、国内金融機関等と外国金融機関等との間の取引に限定されていることから、クロスボーダーのレポ取引に対して、税制が阻害要因とならないよう適用対象の拡大を求めています。