19年分の類似業種比準価額計算上の業種目・評価等をみると、多くの業種が18年分と比べて低めになっているのに対し、株価と1株当たり配当金額・利益金額・純資産価額が大きくなっている業種目がある。
この要因には、上場会社の異動や業績の変動など様々なものが考えられるが、その中でも注目されるのが、株価表の算定の基となっている標本上場会社に自己株式があるなどして株価が高くなっているというものだ。
これは、評価会社に自己株式がない場合でも、類似業種に自己株式の影響があって株価等が高くなっていれば相続税評価額が高くなることにつながる。類似業種比準方式で評価する以上、改正法人税法とそれに伴う財産評価基本通達の取扱いからはやむをえないところだが、今後は、類似業種の上場会社の業績だけでなく、自己株式の取得や保有・消却等の状況と株価との関連についても留意して株価表をみる必要があるといえる。