今回の東日本大震災で被災し滅失等した資産には、自己所有の資産のみならず、リース資産も相当数含まれていると考えられる。いわゆる所有権移転外ファイナンスリース取引については、平成19年のリース会計基準の設定とこれに対応した平成19年度税制改正によって、会計上も税法上も、原則、売買取引とされている。
そのため、滅失等したリース資産の損失額が災害損失特別勘定に繰入れ可能か否か、特例法によって認められた震災損失の繰戻し還付制度の対象となるか、あるいは、リース会計基準の適用の有無やリース取引の開始時期やリース資産の取得時期の違い等によって、取扱いが異なることになるのかといった疑問が生じていた。
これらの震災税務上の処理について、本誌が取材した結果を3回に分けてお届けすることとした。初回は、平成20年4月1日以後契約締結したリース取引について、原則的な会計処理(利息法)を行っている場合のリース資産の滅失等を取り上げる。