公益法人に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税特例の取り消しに伴う、所得税の更正処分を不服として提起された訴訟で、東京高裁は一審の東京地裁に引き続き、課税当局の処分を支持する判決を行った。
これは、相続人の父が公益法人に対して行った株式の贈与について、一旦はみなし譲渡所得の非課税特例が適用されたものの、特例が取り消されたことに伴い、相続人の父の亡くなった日の属する所得税について受けた更正処分に関して、納税義務を承継した相続人が処分を不服として提起していた訴訟の控訴審。
一審の東京地裁は、課税当局の更正処分を適法とする判決を行い、相続人は控訴していたが、今般、東京高裁第20民事部の春日通良裁判長も地裁の判断を踏襲し課税当局の処分を支持、相続人の控訴を棄却する判決を行った。現在、公益法人は新しい制度に移行の最中であるが、公益法人に携わる関係者は、判決内容を確認しておきたい。