スキャナ保存制度の要件の見直し

img_mori_150.jpg 平成27年度の税制改正に引き続き、平成28年度の税制改正でも、スキャナ保存制度の要件が見直された。

 

 スキャナ保存は、領収書、請求書、契約書等の国税関係書類をスキャンして、タイムスタンプを付し電子データで保存する方式。

 ただ、制度は措置されていたものの、これまではスキャナ保存を行うための要件が厳しかったこともあり、制度を利用して書類等をデータ保存することはあまり普及していなかったが、近年の改正により、使い勝手が良くなったことから、制度を利用する者が増加することが期待されている。



 昨年平成27年度の改正では、制度の対象となる契約書・領収書等にかかる金額基準(改正前:3万円)が廃止され、カラー保存要件の見直し等が行われた。



 平成28年度の改正では、国税関係書類の読み取りを行うスキャナについて、原稿台と一体型に限るとされていた要件が廃止された。



 このほか28年度改正では、読み取る領収書や請求書等について、その受領者や作成者が読み取る際に、その者が署名のうえ、3日以内にタイムスタンプを付すことが要件とされ、国税関係書類の大きさがA4以下のときは、大きさに関する情報の保存は不要とされる見直しも行われた。



 この28年度改正の結果、受領した領収書を社外においてスマホで読み取ることも可能になり、制度の利便性は格段に高まった。



 さらに、小規模企業者の特例も創設され、スキャナ保存を行う保存義務者が小規模企業者の場合、税務代理人が適正事務処理要件の「定期的なチェック」を行うのであれば、「相互けんせい」要件は不要とされた。



 このようにスキャナ保存制度により書類保存を行う要件は簡素化が図られ、制度を利用する者の増加が期待されているわけだが、改正後の要件でスキャナ保存を行う場合には、書類の保存に代えて電子データの保存を開始する日の3か月前の前日までに申請書を提出しなければならない点には注意が必要となる。

 改正後の要件により制度を利用する場合の申請書の受付は、平成28年9月30日からとされているが、平成29年1月1日から改正後の要件によりスキャナ保存制度を利用する場合、申請書の提出は、受付開始日の平成28年9月30日に限られることになる。



 ペーパーレス化が叫ばれて久しいが、制度が普及するか、今後の動向が注目される。

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