既に本年4月1日以後に開始する相続から適用されている改正小規模宅地特例では、被相続人の貸付事業用の宅地等について、相続人が①貸付事業の承継、②同宅地等の所有、③貸付事業の継続、のすべてを満たしている場合には、「貸付事業用宅地等」として50%の評価減を受けられるとされている。しかし、遺産分割がスムーズに行われるとは限らず、未分割のまま相続税の申告期限を迎えることも珍しくない。
その際は、遺産分割が行われるまで賃料収入を法務局に供託するのが一般的であるというが、問題は、遺産分割協議が整っておらず、事業承継人が特定されないことから、上記①の要件を満たすことができないのではないかという点。
本誌が確認したところ、このようなケースでも貸付事業用宅地等に該当し、実務的には申告時に「3年以内の分割見込書」を提出し、分割後に更正の請求を行うことで特例が適用できることが分かった。