独立公認会計士インタビュー『わたしの働き方』株式会社クリフィックスFAS 代表取締役 近藤 弘 氏

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【編集部より】

監査法人以外の場で活躍する公認会計士の方々に、これまでのキャリアや今の働き方などについて聞く本コーナー。今回は、クライアント・ファーストを基本理念に掲げ、企業のM&A・再生関連の財務デューデリジェンスを行う近藤弘氏に話を聞いた。

――公認会計士を目指したきっかけを教えてください。
実家が自営業だったこともあり、自分がサラリーマンになるイメージが湧きませんでした。さりとて、商売人にもあまり魅力を感じず、商売される方を支援する立場で、かつ独立できる仕事に就きたいと考えていました。大学時代に会計士資格の存在を知り、子どもの頃にそろばんを習っていたことから、ひょっとして簿記は自分に向いているかもしれないと思い、会計士資格にチャレンジしてみました。

――その後のキャリアについて教えてください。
大手監査法人に入所して最初の6年間は監査業務やIPO支援業務を中心に取り組みました。主査業務が一巡したところで、2年ほど中国進出支援業務に携わり、その後、中堅監査法人に移籍しました。中国関係の仕事は魅力的でしたが、中国ローカルの会計士を超えることが難しいことが分かり、別の分野で専門性を高められないかと考えました。経験した仕事の中で、M&A関連業務は手ごたえがあって非常に面白いなと感じ、中堅監査法人で8年ほどそれを中心に仕事をし、2015年にクリフィックスFASに移籍しました。

――様々な業務を経験されていますが、資格取得前からキャリアプランを練っていましたか。
まったくなかったですね。ただ、資格を持ち、専門性を磨き、クライアントへのアドバイスに対して対価をもらう。クライアントのお役に立っている実感をもちつつ、それに対する評価が直接される世界にすごく魅力を感じていました。

――現在のお仕事について教えてください。
現在は、M&A、企業再編、再生の会計アドバイザリーファームで、主に財務デューデリジェンスや評価等を行っています。例えばM&Aですと、会社の買収価格は交渉の中で決まっていきますが、会社を計る一定のロジックがあります。それに基づき、買収価格が適正か、どのようなリスクがあるか、など第三者の視点で評価し、会社の株主に対してきちんと説明できるようにしています。
また、M&A後に行う会計目的の評価も行っています。PPA(Purchase Price Allocation:取得原価配分)と言うものですが、戦略的な買収で登場する無形資産評価、あるいは減損テスト等が多いです。買収時だけでなく、買収後の経営統合、業務統合に関する支援なども行っています。

――監査法人での監査と現在のM&A業務で会社を見る視点に違いはありますか。
監査法人の監査は、生きた会社の数字をチェックしながら、会社の動きが数字にきちんと反映されているか、ごまかしがないかといった視点からされることが多いと思います。M&Aの調査の視点は逆で、数字の動きから、会社の実態あるいは今後の動向を推察しようとするものです。調査を通じて、会社の課題を洗い出し、将来の見込みを想定していきます。
クライアントの立場から数字を見ていきますが、案件毎にクライアントから学ぶことは多いです。「こういうふうに見たり、感じたりしているんだ」と、常に新たな発見があり、新しい研究課題が登場し、興味が尽きません。

――お仕事をされるうえで大切にしていることは何ですか。
もっとも大切なのは、やはり"クライアント・ファースト"ですね。専門性を磨き、クライアントの立場に立って期待を超えていく。それを愚直に実践しています。また、注力領域は、会計、税務、財務の分野とし、その他の分野は、最善の専門家と連携して取り組むようにしています。全ての意味で、クライアントにとって最善であることを大切にしています。
2番目は、チームワークです。メンバーの強みは各人各様であり、チームワークで完璧なものに仕上げていくというスタイルを大切にしています。これは社内だけではありません。社外のプロジェクトメンバーとも連携して最良の解決策を考えます。チームワークが生きたプロジェクトからは、多くの学びがあり、新しいチームの可能性が発見できます。この2つは、非常にこだわっているところです。

――若手の公認会計士の皆さんにメッセージをお願いします。
最近は、公認会計士の活躍の場は広く、さまざまな場面で会計士に出会います。つまり、公認会計士にとって、多様な分野で活躍のチャンスがたくさんあるということなのだと思います。そして、どの分野、どのような立場にあっても、数字を読み解く力は重要な武器であることは間違いありません。そうした意味で公認会計士が切磋琢磨できる監査法人は、最高の修業場所と思います。まずは、焦らず長い目で目の前の仕事をきちんと行い、チーム内外からの信頼を重ねていくことなのではないでしょうか。その中で自分の得意なこと、好きなこと、やりたいことが見つかったときには、思い切ってまずはチャレンジしてみることと思います。
また、どんなときでも一つ一つのご縁を大切にすることではないでしょうか。振り返ると、今の自分があるのは、多くのご縁の賜物であることに気が付きます。監査法人時代の先輩、同僚、後輩、クライアント、同じプロジェクトでご一緒した専門家の方々と、一緒にさせていただいた経験、そしていまも続くご縁は、今の自分にとって最大の財産です。


略歴:
近藤 弘(こんどう ひろし)氏
株式会社クリフィックスFAS 代表取締役 公認会計士
大手監査法人等にて、監査、IPO支援、中国関連業務、財務DD、再生支援、株価評価、事業計画策定支援業務等に従事。現在、M&A・再生関連の財務DD、事業計画策定支援等を行っている。主な著書に「ストラクチャー別会計・税務のポイント」(税務経理協会・共著)などがある。


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