非適格再編であっても実態から適格再編と判断される可能性も~企業再編税制 適用上の留意事項

 企業グループ内における再編を促す観点から、税務上では、合併や会社分割、株式交換・移転、現物出資などを行った場合に、移転資産の譲渡損益課税を繰り延べる“企業組織再編税制”が設けられており、現在、広く活用されている。

 実務上においては、課税の繰り延べが行われる点から税制適格再編の方が非適格再編に比べて有利であると考える向きもあるようだ。しかし、含み損のある資産を移転する場合、非適格再編では移転資産の含み損を顕在化することができる一方、適格再編では含み損を実現することができないなど、企業の財務状況等によって有利不利は異なるのが実情だ。

 また、最近では、組織再編税制上の特性を活かした合併等も一部でみられるが、税負担の軽減を目的として恣意的に行為内容等を変更し、適格再編・非適格再編の適用を受けていた場合、法人税法132条の2(組織再編成に係る行為又は計算の否認の規定)から課税上弊害があるとされる可能性も考えられるのでこちらも留意されたい。なお本誌では、今後、実務上誤りやすり事例や問題となりやすい事例をもとに、組織再編税制の基本的な仕組みをシリーズ化しながら紹介していく。
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