福岡高裁はこのほど、年金受給権として相続課税の対象となった受給権に基づいて受け取った個人年金への所得税課税は“二重課税”であり違法とする納税者の主張の是非を巡って争われていた事案に対し、納税者の主張は認められないとする旨の判示を行った。
同事案は、一審の長崎地裁で“年金受給権と個人年金に対する課税は二重課税に該当し”、所得税法9条の趣旨に違反するとの判示が示されていたもの。
仮に、この内容が上級審でも認められれば課税制度の根幹が揺らぎかねないとして注目する向きもあったが、今回の福岡高裁で同事案は二重課税には該当せず所得税法に違反しないとの国側の主張が認められたことから、改めて注目されるところとなった。なお、納税者サイドでは上告を検討中と伝えられる。