2020/12/10 12:00
12月9日、自民党税制調査会(甘利明会長)は小委員会を開き、令和3年度税制改正大綱の取りまとめに向けて最終処理案の審議を行った。
賃上げ税制を抜本改正、新規雇用者への給与増が要件に
法人課税関係では、例えば以下など、注目度の高い税制について、具体的な文案が示された(①~④については【Vol.8】参照)。
①研究開発税制(改正) |
同案によると、⑤給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の税額控除制度は、新たな人材の獲得及び人材育成の強化を促しつつ、第二の就職氷河期を生み出さないようにする観点から、現行制度を抜本的に見直す。
具体的には、新規雇用者に対する給与等支給額を2%以上増加させた企業に対して、対象となる新規雇用者給与等支給額の15%を税額控除できる制度とする。教育訓練費を2割以上増加させた場合は税額控除率を5%上乗せし20%とする。
中小企業向けの所得拡大促進税制についても、雇用を増加させる企業を下支えする等の観点から、適用要件等を一部見直す。
また、⑥中小企業関係税制については、例えば、中小企業経営強化税制の対象に経営資源集約化設備(修正ROA又は有形固定資産回転率が一定以上上昇する設備)を追加するなどの改正等を行う。
電子帳簿保存制度は大幅に簡素化へ
納税環境整備では、電子帳簿等保存制度の見直し等の具体な文案が示された。
同案によると、国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存制度については、事前承認を廃止するとともに、モニター、説明書の備付け等の最低限の要件を満たす電子帳簿(正規の簿記の原則に従って記録されるものに限る)についても、電子データのまま保存することを可能とするなど大幅な簡素化を行う。
一方、一定の国税関係帳簿について、現行の訂正等履歴要件や相互関連性要件等を満たして電子保存し、その旨を届け出た者については、その電子帳簿に関連して過少申告があった場合に、過少申告加算税を5%軽減するなどのインセンティブを設ける。
~12月9日の議題~
最終処理案について |