法人が区分所有する賃貸用マンションの管理費や修繕費について、各管理組合に支出した事業年度に全額損金に算入できるか否か争われた事件で、福岡高裁は、実際に費消した管理費等のみ損金に算入できるとして当局の主張を認めるとともに納税者の主張を棄却する判断を下した。
実際に費消した管理費等のみ損金算入を認める理由として、本件の管理費等は7割以上が当期に費消されず剰余金となっていること、管理費の額は築年数に関係なく各住戸の面積に応じて1室当たりの金額を決定しており合理的に算出しているとは認められないこと、修繕積立金については保留されている間は債務が確定しているとはいえないこと等を挙げている。
なお、この判決について納税者は不服として最高裁へ上告しており、現在係属中となっている。