税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

特定事業者等への報告の求め

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 所轄国税局長は、特定取引の相手方となり、又は特定取引の場を提供する事業者(特別の法律により設立された法人を含む。)又は官公署(特定事業者等)に、特定取引者に係る特定事項について、特定取引者の範囲を定め、60日を超えない範囲内においてその準備に通常要する日数を勘案して定める日までに、報告することを求めることができる(法74の7の2①)。

 この報告の求めは国税に関する調査について必要がある場合において、次のいずれかに該当するときに限り、することができる(法74の7の2②)。

  • ① 特定取引者が行う特定取引と同種の取引を行う者に対する国税に関する過去の調査において、その課税標準が1,000万円を超える者のうち半数を超える者について、その取引に係るその税目の課税標準等又は税額等につき更正決定等をすべきと認められている場合
  • ② 特定取引者が特定取引に係る物品又は役務を用いることにより課税標準等又は税額等について、国税に関する法律の規定に違反する事実を生じさせることが推測される場合
  • ③ 特定取引者が行う特定取引の態様が経済的必要性の観点から通常の場合にはとられない不合理なものであることから、特定取引に係る課税標準等又は税額等について国税に関する法律の規定に違反する事実を生じさせることが推測される場合

(注1) 上記の特定取引者に係る「特定事項」とは、氏名(法人については、名称)、住所又は居所及び個人番号又は法人番号をいう(法74の7の2③四)。

(注2) この報告の求めについても「国税に関する法律に基づく処分」に該当し(法第74条の7の2第2項において「処分」と規定)、報告を求められた特定事業者等においてその報告の求めに不服がある場合には、国税通則法や行政事件訴訟法等の規定に基づき不服申立てや訴訟を行うことができる。

備考

「所轄国税局長」とは、特定事業者等の住所又は居所の所在地を所轄する国税局長をいう(法74の7の2③一)。

「特定取引」とは、電子情報処理組織を使用して行われる事業者等との取引、事業者等が電子情報処理組織を使用して提供する場を利用して行われる取引その他の取引のうち、この報告の求めによらなければこれらの取引を行う者を特定することが困難である取引をいう(法74の7の2③二)。

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