税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

所得金額調整控除制度

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  • (1) その年中の給与等の収入金額が850万円を超える居住者で、特別障害者に該当するもの又は年齢23歳未満の扶養親族を有するもの若しくは特別障害者である同一生計配偶者若しくは扶養親族を有するものの総所得金額を計算する場合には、給与等の収入金額(その給与等の収入金額が1,000万円を超える場合には、1,000万円)から850万円を控除した金額の10%に相当する金額を、その年分の給与所得の金額から控除する(措法41の3の3①)。
  • (2) その年分の給与所得控除後の給与等の金額及び公的年金等に係る雑所得の金額がある居住者で、これらの金額の合計額が10万円を超えるものの総所得金額を計算する場合には、給与所得控除後の給与等の金額(給与所得控除後の給与等の金額が10万円を超える場合には、10万円)及び公的年金等に係る雑所得の金額(公的年金等に係る雑所得の金額が10万円を超える場合には、10万円)の合計額から10万円を控除した残額を、その年分の給与所得の金額から控除する(措法41の3の3②)。
      このため、上記の総所得金額の計算上給与所得の金額はこれらの控除後の金額となる。

b 上場株式等に係る配当所得等の金額

c 短期譲渡所得の金額(土地建物等)

d 長期譲渡所得の金額(〃)

e 一般株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る譲渡所得等の金額

f 先物取引に係る雑所得等の金額

g 山林所得の金額

h 退職所得の金額

 この区分計算に当たって、個別の所得の金額のうちに損失の金額がある場合には、これを他の黒字の所得の金額との間で一定の順序に従って損益の通算をする(法69)。

 また、前年以前3年内に生じた純損失の金額又は雑損失の金額でまだ控除されないものがある場合には、損益通算後の総所得金額、山林所得金額、退職所得金額から一定の順序で控除する(法7071)。

 なお、雑損失の金額でまだ控除されないものについては、上記のほか、上場株式等に係る配当所得等の金額、長期譲渡所得の金額、短期譲渡所得の金額、一般株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び先物取引に係る雑所得等の金額から控除できる(措法8の4③三、31③三、32④、37の10⑥五、37の11⑥、41の14②四)。

 以上の計算を経て算出された総所得金額、上場株式等に係る配当所得等の金額、長期譲渡所得の金額、短期譲渡所得の金額、一般株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る譲渡所得等の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額が、所得税の課税標準となる(法22措法8の4313237の1037の1141の14)。

(注)1 不動産所得の損失の金額のうち、土地等を取得するために要した負債の利子の額に相当する部分の金額及び不動産所得を生ずべき事業を行う民法組合等の特定組合員又は特定受益者が、組合事業又は信託から生じた金額についてはなかったものとされるので、損益通算の対象とならない(措法41の441の4の2)。

  2 土地建物等の譲渡に係る長期譲渡所得の金額及び短期譲渡所得の金額は、損益通算の対象とならない(措法31③二、32④)。ただし、居住用財産の譲渡損失の金額又は特定居住用財産の譲渡損失の金額は、損益通算の対象とされる(後述167、169頁参照)。

  3 一般株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る譲渡所得等の金額は、一定の上場株式等の場合を除き、損益通算の対象とならない(措法37の10①⑥四、37の11①⑥)。

  4 先物取引に係る雑所得等の金額は、損益通算の対象とならない(措法41の14①②三)。

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