税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

山林所得の計算の特例

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1 概算経費控除の方法による山林所得の計算

 その年の15年前の年の12月31日以前から引き続いて所有していた山林については、収入金額から伐採費等を差し引いた金額に一定の率(50%)を乗ずることによって、収入金額から差し引く植林費などの必要経費を計算するいわゆる概算経費控除という簡略な計算方法が認められている。この概算経費控除は、確定申告書にこの方法を選択する旨を記載することによって適用される(措法30措規12)。

 概算経費控除の方法による所得の計算は、次の算式で行う。

(収入金額)-〔{〔収入金額〕-〔伐採費、運搬費などの譲渡費用〕}×50%+〔伐採費、運搬費などの譲渡費用〕+〔被災事業用資産の損失の金額〕〕-特別控除額=山林所得の金額

2 山林所得に係る森林計画特別控除

  • ① 適用が受けられる場合
      個人が、平成24年から令和4年までの各年において、その有する山林についてその者が作成し市町村長の認定を受けた森林経営計画に基づいてその山林の全部又は一部の伐採をし、又は譲渡(交換、出資及び収用等による譲渡を除く。)をした場合は森林計画特別控除が適用される。ただし、森林経営計画の認定の取消しがあった場合には遡及して特別控除が適用されない(措法30の2)。
  • ② 森林計画特別控除額
      森林計画特別控除額は、森林の施業に関する計画に基づく山林の伐採又は譲渡に係る収入金額を基として、次の○イ、○ロにより計算した金額のうちいずれか低い金額による。ただし、概算経費控除の方法により山林所得の金額を計算する場合には、○イの金額とされる。
    •  ○イ (収入金額-伐採費等)×20%(収入金額が2,000万円を超える場合には、その超える部分の金額については10%)
    •  ○ロ (収入金額-伐採費等)×50%-伐採費等以外の経費

備考

法人に対する贈与若しくは遺贈又は限定承認に係る相続若しくは個人に対する包括遺贈の場合のみなし山林所得(法59①)及び森林保健施設を整備するために伐採又は譲渡した場合の山林所得の場合は、この森林計画特別控除は適用されない。

3 その他の課税の特例

 土地収用法などによる山林の収用、買取り又は交換があった場合、山林を処分して海外へ移住する場合、国又は地方公共団体に立木を寄附した場合又は相続税の物納に充てた場合などにおける山林所得の計算及び課税については、譲渡所得の特例と同様の特例が適用される(142頁参照)。

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