税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

個別法

 棚卸資産の全部についてその個々の取得価額をその評価額とする方法をいう。

備考

個別法の選定については、基通5-2-1参照。

先入先出法

 棚卸資産を種類、品質及び型(以下種類等という。)の異なるごとに区別し、その種類等の同じものについて、最も古いものから順次販売されたものとみなし、その取得価額により評価する方法である。したがって、期末の棚卸資産は期末に最も近いときにおいて取得したものが残っているという構成になる。

総平均法

 棚卸資産をその種類等の異なるごとに区別し、その種類等の同じものについて、期首において有していた棚卸資産の取得価額の総額と期中に取得した棚卸資産の取得価額の総額との合計額を、その棚卸資産の総量で除して得た価額を1単位当たりの評価額とする方法である。

備考

総平均法については、1月ごと又は6月ごとを単位とする簡便方法が認められている(基通5-2-35-2-3の2)。

移動平均法

 棚卸資産を種類等の異なるごとに区別し、棚卸資産を取得するつど、1単位当たりの取得価額を、その取得の時に有する棚卸資産の数量及び取得価額とその取得した棚卸資産の数量及び取得価額とにより改定する方法である。その結果期末棚卸資産は最後に改定された単位により評価することとなる。

備考

移動平均法については、1月ごとを単位とする簡便計算の方法が認められている(基通5-2-3)。

最終仕入原価法

 棚卸資産を種類等の異なるごとに区別し、その種類等の同じものについて、期末から最も近い時において取得したものの取得価額をその1単位当たりの取得価額として評価する方法である。

売価還元法

 棚卸資産を種類等又は通常の差益の率の異なるごとに区別し、その種類等又は通常の差益の率の同じものについて、期末における種類等又は通常の差益の率を同じくする棚卸資産の通常の販売価額の総額に原価の率を乗して計算した金額を取得価額として評価する方法である。この場合の通常の差益の率又は原価の率は、次の算式によって計算した率をいう。

 通常の差益の率=(通常の販売価額-取得のために通常要する費用)/通常の販売価額

 原価の率=(期首評価額+期中の取得価額)/(期中売上棚卸資産の販売価額+期末棚卸資産の通常の販売価額)

 原価の率の計算の場合における期中売上棚卸資産の販売価額は、実際の販売価額によるが、使用人、株主、特定の顧客等特定の者に対する販売について値引きを行っている場合において、これらの者に対する販売状況が個別に管理されており、その値引き額が明らかにされているときは、その販売価額に値引き額を加算したところで計算ができる(基通5-2-6)。ただし、期末棚卸資産の通常の販売価額については、値引き、割戻し等を考慮しないで計算したものによる(基通5-2-7)。

備考

売価還元法は、小売業者に多く用いられる。左の算式によって原価の率を計算した場合に、その率が100%を超えることがあるが、その場合でもその原価の率によって評価する(基通5-2-8)。

通常の差益の率がおおむね同じものについては、棚卸資産の種類が著しく異なるものを除き、同じ一区分とすることができる(基通5-2-5)。

製造業を営む法人が、原価計算を行わないため半製品及び仕掛品について製造工程に応じて製品売価の何割として評価する場合のその評価の方法は、売価還元法とする(基通5-2-4)。

売価還元法については、6月ごとを単位とする簡便計算の方法が認められている(基通5-2-3の2)。

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