税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

使用人兼務役員の範囲

 使用人としての職務を有する役員(いわゆる使用人兼務役員、以下兼務役員という。)とは、次に掲げる要件を備えている役員をいう(法34⑥)。

  • (1) 部長、課長その他法人の使用人としての職制上の地位を有していること
  • (2) 常時使用人としての職務に従事するもの

備考

(1)の「使用人としての職制上の地位」とは、部長、課長、支店長、工場長、営業所長、支配人、主任等法人の機構上定められている職務上の地位をいう。したがって、取締役等で、総務担当、経理担当というように使用人としての職制上の地位でなく法人の特定部門の職務を総括するものは、兼務役員には該当しない(基通9-2-5)。

使用人兼務役員になれない役員

 次に掲げる者は、兼務役員とならない(法34⑥、令71)。

  • (1) 代表取締役、代表執行役、代表理事、清算人
  • (2) 副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員
     「これらに準ずる職制上の地位を有する役員」とは、次の者をいう。
    • (イ) 会長、副会長、総裁、副総裁、頭取、副頭取、組合長、副組合長、理事長、副理事長その他これらに準ずる者で法人の業務を執行しているもの
    • (ロ) 理事長、副理事長、専務理事、常務理事等の名称を有しない理事で代表権を有するもの
    • (ハ) 人格のない社団等の代表者又は管理人
  • (3) 合名会社、合資会社及び合同会社の業務を執行する社員
  • (4) 取締役(指名委員会等設置会社の取締役及び監査等委員である取締役に限る。)、会計参与、監査役及び監事
  • (5) (1)から(4)までに掲げるもののほか同族会社の役員のうち、次の全ての要件に該当する者
    • ① その同族会社の持株割合の最も多い株主又は出資者(同族関係者を含む。)から順次3番目までのものの所有割合がはじめて50%を超えることとなった場合において、その役員がこの株主又は出資者に含まれていること
    • ② その役員とその同族関係者の所有割合が10%を超えていること
    • ③ その役員とその配偶者(これらの者の所有割合が50%を超える他の同族会社を含む。)の所有割合が5%を超えていること

備考

事業内容が単純で使用人が少数である等の事情により、使用人について特に機構として職務上の地位を定めていない場合は、その役員が常時従事している職務が他の使用人の職務の内容と同質であると認められるものについては、兼務役員として取り扱うことができる(基通9-2-6)。

同族関係者の範囲は、同族会社の判定の場合(令4)と同じである。

第1順位の者で50%超となった場合は、その者だけが、また、第1順位の者と第2順位の者で50%超となった場合は、その第1順位の者と第2順位の者だけがこれに該当する。

同所有割合の株主グループは同一順位として取り扱われる(基通9-2-8)。

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