一般原則
減価償却の基礎となる価額は、原則として、その資産の取得価額である。取得価額は、その取得形態に応じて、次によることとされている。
備考
圧縮記帳した償却資産の取得価額は、その圧縮後の金額(圧縮額について引当金経理をしているものについては、その引当金額を控除した金額)による(令54③)。
評価換え等による評価益の計上があった減価償却資産については、その評価益の金額を当初の取得価額に加算した金額をその償却限度額の計算の基礎となる取得価額とみなすこととしている(令54⑥)。
1 購入した場合
購入により取得した減価償却資産の取得価額は、次の金額の合計額による(令54①一)。
備考
引取費用等及び事業の用に供するため直接要した費用の範囲については、棚卸資産の取得価額の場合とほぼ同じである。
減価償却資産以外の固定資産の取得価額は、減価償却資産の取得価額と同じである。なお、資本的支出に相当する金額は当該固定資産の取得価額に加算する(基通7-3-16の2)。
不当に高価で買い入れた固定資産について、その買入価額のうち実質的に贈与をしたものと認められる金額がある場合には、買入価額からその金額を控除した金額を取得価額とする(基通7-3-1)。
2 建設等をした場合
自己の建設、製作又は製造による減価償却資産の取得価額は、次の金額の合計額による(令54①二)。
備考
自己の建設等に係る減価償却資産の取得価額について適正な原価計算に基づいて算定しているときは、その計算した金額が(1)と(2)の合計額と異なる場合でも、その計算が認められる(令54②)。
3 成育させた場合
自己が成育させた牛、馬、豚、綿羊及びやぎの取得価額は、次の金額の合計額による(令54①三)。
4 成熟させた場合
自己が成熟させた果樹等の取得価額は、次の金額の合計額による(令54①四)。
5 適格組織再編成により移転を受けた場合
6 贈与等により取得する場合
上記1から5の方法以外の方法で取得した減価償却資産、すなわち、贈与、交換又は債務の弁済等により他から取得をしたものの取得価額は、次の金額の合計額による(令54①六)。
備考
減価償却資産が非適格合併で法第61条の13第1項(完全支配関係がある法人の間の取引の損益)の規定の適用があるものにより移転を受けた譲渡損益調整資産である場合には、その譲渡損益調整資産に係る譲渡利益額に相当する金額はその非適格合併に係る合併法人のその譲渡損益調整資産の取得価額に算入しないものとし、その譲渡損益調整資産に係る譲渡損失額に相当する金額はその合併法人のその譲渡損益調整資産の取得価額に算入する(令54⑤)。