税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

耐用年数の短縮

  • (1) 耐用年数の短縮
      減価償却資産の使用可能期間が、次の理由から法定耐用年数より著しく短い場合(おおむね10%以上短い場合をいう。)には、所轄国税局長の承認を受け、その未経過使用可能期間(使用可能期間のうちいまだ経過していない期間)によることができる(令57①、規16基通7-3-18)。
    • ① その資産の材質又は製作方法がこれと種類及び構造を同じくする他の減価償却資産の通常の材質又は製作方法と著しく異なること
    • ② その資産の存する地盤が隆起し、又は沈下したこと
    • ③ その資産が陳腐化したこと
    • ④ その資産がその使用される場所の状況に基因して著しく腐食したこと
    • ⑤ その資産が通常の修理又は手入れをしなかったことに基因して著しく損耗したこと
    • ⑥ 減価償却資産の耐用年数等に関する省令の一部を改正する省令(平成20年度財務省令第32号)による改正前の耐用年数省令(以下「旧耐用年数省令」という。)を用いて償却限度額を計算することとした場合に、旧耐用年数省令に定める一の耐用年数を用いて償却限度額を計算すべきこととなる減価償却資産の構成が当該耐用年数を用いて償却限度額を計算すべきこととなる同一種類の他の減価償却資産の通常の構成と著しく異なること
    • ⑦ その機械及び設備が旧耐用年数省令(⑥に同じ)別表第二に特掲されていないこと
    • ⑧ その他①から⑦までに準ずる理由があること

      耐用年数の短縮は、減価償却資産の種類ごとに、かつ、耐用年数の異なるものごとに適用する。
      この場合において、機械及び装置以外の減価償却資産の種類は、耐用年数省令に規定する減価償却資産の種類(その種類につき構造若しくは用途又は細目の区分が定められているものについては、その構造若しくは用途又は細目の区分)とし、機械及び装置の種類は、旧耐用年数省令に定める設備の種類(その設備の種類につき細目の区分が定められているものについては、その細目の区分)とする。
      なお、一の設備を構成する機械及び装置の中に他から貸与を受けている資産があるときは、その資産を含めないところにより適用する。
      ただし、次に掲げる減価償却資産については、次によることができる(基通7-3-19)。
    • ① 機械及び装置については、二以上の工場に同一の設備の種類に属する設備を有するときは、工場ごと(二以上の工場にそれぞれ一の設備の種類を構成する機械及び装置が独立して存在するときが該当し、二以上の工場の機械及び装置を合わせて一の設備の種類が構成されているときは、該当しない。)
    • ② 建物、建物附属設備、構築物、船舶、航空機又は無形減価償却資産については個々の資産ごと
    • ③ 他に貸与している減価償却資産については、その貸与している個々の資産(個々の資産が借主における一の設備を構成する機械及び装置の中に二以上含まれているときは、その二以上の資産)ごと
  • (2) 耐用年数の短縮の承認申請に係る特例
      既に耐用年数の短縮の承認を受けている減価償却資産について軽微な変更があった場合、承認を受けている減価償却資産と同一の他の減価償却資産の取得をした場合等において、その資産の取得をした事業年度に係る申告書の提出期限までに、その資産の名称等を記載した届出書を所轄国税局長に提出したときは、改めて承認申請をすることなく、その届出書の提出をもってその資産に係る耐用年数の短縮の承認があったものとみなされる(令57⑦⑧、規18)。

備考

機械及び装置以外の減価償却資産の「使用可能期間」は、その減価償却資産の取得後の経過年数と左の事由に該当することとなった後の見積年数との合計年数(1年未満の端数は切り捨てる。)とし、機械及び装置の「使用可能期間」は、旧耐用年数省令に定められている設備の種類を同じくする機械及び装置に属する個々の資産の取得価額(再評価を行った資産については、その再評価額。ただし、申請の事由が左の⑦の事由又はこれに準ずる事由に該当する場合には、その再取得価額)を償却基礎価額とし、各資産の取得後の経過年数と左の事由に該当することとなった後の見積年数との合計年数(1年未満の端数は切り捨てる。)(その機械及び装置に属する個々のうち左の事由に該当しないものについては、その機械及び装置の法定耐用年数の算定の基礎となった個別年数)を使用可能期間として、総合償却資産の使用可能期間の算定(耐通1-6-1)に従いその機械及び装置の全部を総合して算定した年数(1年未満の端数は切り捨てる。)による。なお、見積年数は、その減価償却資産につき使用可能期間を算定しようとする時から通常の維持補修を加え、通常の使用条件で使用するものとした場合において、通常予定される効果をあげることができなくなり更新又は廃棄されると見込まれる時期までの年数による(基通7-3-207-3-21)。

機械及び装置以外の減価償却資産の「未経過使用可能期間」は、その減価償却資産につき使用可能期間を算定しようとする時から通常の維持補修を加え、通常の使用条件で使用するものとした場合において、通常予定される効果をあげることができなくなり更新又は廃棄されると見込まれる時期までの見積年数(1年未満の端数は切り捨てる。)とし、機械及び装置の「未経過使用可能期間」は、個々の資産の取得価額を償却基礎価額とし、各資産の取得後の経過年数と左の事由に該当することとなった後の見積年数との合計年数を使用可能期間として、総合償却資産の未経過使用可能期間の算定(耐通1-6-1の2)に従って算定した年数による(基通7-3-20の27-3-21の2)。

改定耐用年数が100年を超える場合の減価償却資産の償却限度額は、その減価償却資産について定められている耐用年数に応じ、その帳簿価額に別表第七に定める旧定率法の償却率を乗じて算出した金額にその事業年度の月数(事業年度の中途で事業の用に供した減価償却資産については、その事業年度の月数のうち事業の用に供した後の月数)を乗じ、これを12で除して計算した金額による(基通7-4-1)。

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