税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

留保金額の計算

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 各事業年度の留保金額の計算は、次による。

  • (1) 当期の課税所得金額(非適格合併による移転資産等の譲渡損益は含まれない。)に、①~⑤の金額を加算し、⑥の金額を減算する(法67③)。
    • ① 受取配当等の益金不算入額
    • ② 外国子会社から受ける配当等の益金不算入額
    • ③ 受贈益の益金不算入額
    • ④ 所得税額、外国法人税額及び欠損金の繰戻しによる法人税額還付金の益金不算入額
    • ⑤ 繰越欠損金(災害等の欠損金、会社更生等による債務免除等による欠損金を含む。)の損金算入額
    • ⑥ 中間申告における繰戻しによる還付に係る災害損失欠損金額の益金算入額
  • (2) (1)の金額から、次の金額を控除する。
    • ① 損金経理した給与、寄附金又は交際費で損金に算入されなかった金額
    • ② その事業年度の所得金額に対する法人税額及び地方法人税額
    • ③ ②の法人税額に係る道府県民税及び市町村民税(都民税を含む。)に相当する額
    • ④ 損金経理した国税の延滞税、地方税の延滞金で損金に算入されなかった金額

備考

留保金額を計算する場合において、所得税額等の還付金額、欠損金の繰戻しによる法人税額の還付金額又は欠損金の繰戻しによる地方法人税額の還付金額は、その額が確定した日の属する事業年度の所得等の金額に含まれる。この場合所得税額等の還付金額の確定は、確定申告によるものはその確定申告書提出の日、更正によるものはその更正があった日による(基通16-1-5)。

留保金額の計算については、その特定同族会社による剰余金の配当又は利益の配当(その支払に係る決議の日がその支払に係る基準日の属する事業年度終了の日の翌日からその基準日の属する事業年度に係る決算の確定の日までの期間内にあるもの(連結法人間配当を除く。)に限る。)の額(その剰余金の配当又は利益の配当が金銭以外の資産によるものである場合には、その資産のその基準日の属する事業年度終了の時における帳簿価額(その資産が当該基準日の属する事業年度終了の日後に取得したものである場合にあっては、その取得価額)に相当する金額)は、その基準日の属する事業年度に支払われたものとされ、その特定同族会社による金銭の分配の額はその支払に係る基準日の属する事業年度に支払われたものとされる(法67④)。
 令和4年4月1日以後は、上記の剰余金の配当、利益の配当から通算法人間で支払われるものが除かれる。

(2)②の法人税額は法人税額(土地の譲渡等がある場合の特別税率(措法62の3)等の適用があるときはこれらの規定により計算した額)から所得税額の控除額、外国税額の控除額、分配時調整外国税相当額の控除額及び仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除額、試験研究を行った場合の税額控除等を控除した後の金額である。
 しかし③の法人税額にあっては試験研究を行った場合の税額控除等及び所得税額の控除前のものである。

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