税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

確定申告

1 確定申告書

 確定申告書とは、確定した決算に基づき課税標準である所得金額又は欠損金額、法人税の額等を記載した申告書をいう(法2三十一、74①、規34①)。

備考

残余財産の確定の日の属する事業年度の確定申告書を提出する場合において、当該事業年度終了の日の翌日から1月以内に残余財産の最後の分配又は引渡しが行われるときは、その分配又は引渡しが行われる日をその確定申告書に記載する(規34①四)。

2 申告及び納付期限

 事業年度終了の日から2月以内に申告し、その申告期限までに税額を納付しなければならない(法74①、77)。

備考

清算中の内国法人についてその残余財産が確定した場合には、その内国法人のその残余財産の確定の日の属する事業年度の確定申告書は、事業年度終了の日の翌日から1月以内(その事業年度終了の日から1月以内に残余財産の最後の分配又は引渡しが行われる場合には、その行われる日の前日まで)までに提出する(法74②)。

3 添付書類

 確定申告書には、貸借対照表、損益計算書、所得金額及び法人税額の計算に関する明細書等を添付しなければならない(法74③、規35)。

4 申告期限の延長

 災害その他やむを得ない理由により決算が確定しないため、確定申告書を期限内に提出できない場合には、その提出期限の延長を申請することができる。この延長申請書は、事業年度終了の日の翌日から45日以内に申請しなければならない(法75)。

 申告期限の延長については、次による。

  • (1) 事業年度終了の日から45日を経過した日後災害その他やむを得ない理由の発生により、決算が確定しないため、確定申告書を提出期限までに提出することができない場合には、提出期限延長の申請書は、その理由の発生後直ちに提出するものとし、その申請のあった日から15日以内に承認又は却下がなかったときは、申請に係る指定を受けようとする日を税務署長が指定した日としてその承認があったものとされる(基通17-1-1)。
  • (2) 確定申告書の提出期限の延長の承認を受けた法人が指定された提出期限までに決算が確定しないため確定申告書を提出できない場合には、申請によりその指定の日を変更することができる(基通17-1-2)。
  • (3) 国税通則法第11条(災害等による期限の延長)の規定に基づいて申告期限の延長があった場合において、災害その他やむを得ない理由により決算が確定しないため確定申告書をその延長された期限までに提出することができないときは、その期限を提出期限延長の申請書の提出期限とする。この場合には、税務署長は遅滞なく延長又は却下の処分を行うこととされている(基通17-1-3)。

備考

申告期限の延長又は申告期限の延長の特例を受けた期間の法人税については、原則として年7.3%の利子税が課される(法75⑦、75の2⑧)。

 申告期限の延長の特例に係る利子税の割合は、日本銀行の基準割引率が年5.5%を超えることとなった場合には、次により計算された割合とされる(措法66の3措令39の11)。

7.3%+0.73%×{(基準割引率 (年利)-5.5%)/0.25%}=改定利率(12.775%を超える場合は12.775%)

措置法により、上記の利子税の年7.3%の割合は、各年の利子税特例基準割合(各年の前々年の9月から前年の8月までの各月の国内銀行の貸出約定平均金利の合計を12で除して計算した割合に0.5%を加算した割合をいう。)が年7.3%に満たない場合には、その年中においては、その利子税特例基準割合(0.1%未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)とされる(措法93①②)。

災害その他やむを得ない場合には、左記のほか国税通則法によって申告期限が延長される場合がある。この場合には、利子税は課されない。

5 申告期限の延長の特例

 定款等の定めにより、又は法人に特別の事情があることにより、その事業年度以後の各事業年度終了の日の翌日から2月以内に各事業年度の決算についての定時総会が招集されない常況にある場合には、申請に基づき、その事業年度以後の各事業年度の確定申告書の提出期限を1月間(法人が会計監査人を置いている場合で、かつ、定款等の定めにより各事業年度終了の日の翌日から3月以内に決算についての定時総会が招集されない常況にある場合には、その定めの内容を勘案して4月を超えない範囲内において税務署長が指定する月数の期間等)延長することができる。この延長の申請書は、延長の特例の適用を受けようとする事業年度終了の日までに所定の事項を記載した申請書をもってしなければならない(法75の2①③)。なお、残余財産の確定の日の属する事業年度については、確定申告書の提出期限の延長の特例の効果は及ばない。

 申告期限の延長の特例の適用を受けている法人が事業年度終了の日の翌日から2月以内に災害その他やむを得ない理由が生じた場合には、その事業年度に限り、この特例の適用がないものとみなして、災害等による期限の延長等の適用を受けることができる(法75の2⑨)。

 また、災害その他やむを得ない理由が生じたため、申告期限の延長の特例の適用を受けている法人がその延長された期限でもなお決算が確定しない場合には、法人税法第75条(申告期限の延長)に乗り継ぐことができる。なお、この場合の申請の期限は申告期限の延長の特例により延長された提出期限の15日前となる(法75の2⑩)。

備考

定款等の定めにより各事業年度終了の日の翌日から2月以内にその事業年度の決算についての定時総会が招集されない常況にあることを左記の申請の理由とする場合には、左記の申請書にその定款等の写しを添付しなければならない(法75の2④)。

確定申告書の提出期限の延長の特例の取消し又は変更処分あるいは取りやめの届出があったときはそれらの行為のあった日の属する事業年度以後の各事業年度につき効果が生ずる(法75の2⑤⑦)。

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