税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

各事業年度の所得に対する法人税率

この解説は最終更新日から1年以上経過しており、現行法令に準拠していない可能性があります。

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 各事業年度の所得に対する税率は、次のとおりである(法66措法42の3の267の2)。

(1) 公益法人等(一般社団法人等を除く。)又は協同組合等(措法42の3の2①)
   年800万円以下の所得金額(※)15%
   年800万円を超える所得金額19%

(2) 普通法人、一般社団法人等又は人格のない社団等

  • ① 期末資本金が1億円を超える法人及び相互会社23.2%
  • ② ①以外の法人(適用除外事業者に限る。)
      年800万円以下の所得金額(※)19%
      年800万円を超える所得金額23.2%
  • ③ ①以外の法人(適用除外事業者を除く。)
      年800万円以下の所得金額(※)15%
      年800万円を超える所得金額23.2%

(※) 次の法人に該当するものについては適用しない。

  • ① 相互会社(保険業法に規定するものに限る。)
  • ② 受託法人
  • ③ 大法人による完全支配関係がある普通法人
  • ④ 普通法人との間に完全支配関係がある全ての大法人が有する株式及び出資の全部をその大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合に、完全支配関係があることとなる普通法人(③の法人を除く。)
  • ⑤ 投資法人
  • ⑥ 特定目的会社

(注) 上記の適用除外事業者とは、その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度(以下「基準年度」という。)の所得の金額の合計額をその各基準年度の月数の合計数で除し、これに12を乗じて計算した金額(一定の事由がある場合には、その計算した金額に一定の調整を加えた金額)が15億円を超える法人をいう(措法42の4⑧八)。
   なお、上記の一定の事由とは主に次の事由等をいい、一定の調整とは主に次の調整等をいう(措令27の4○22~○26)。

事由調整
判定法人が設立後3年を経過していないこと(ハ又はニに掲げる事由に該当する場合を除く。)零とする。
判定法人の各基準年度で還付所得事業年度(法第80条第1項に規定する還付所得事業年度をいう。以下同じ。)であるものの法人税の額について、欠損金の繰戻しによる還付の規定の適用があったこと各基準年度の所得の金額の合計額から還付所得事業年度である基準年度に繰り戻して還付を受けるべき金額の計算の基礎となった欠損金額に相当する金額を控除する。
判定法人が特定合併等(合併等(合併、分割、現物出資、事業の譲受け又は特別の法律に基づく承継をいう。)のうち、その事業年度開始の日から起算して3年前の日以後に行われた法人を設立するもの等であるものをいう。以下同じ。)に係る合併法人等に該当するものであること対象特定合併等(特定合併等のうち、被合併法人等の特定合併等の日以前に開始した各事業年度を合併法人等の事業年度とみなす等により、その被合併法人等のその事業年度が判定法人の事業年度とみなされることとなる場合のその基因となった特定合併等をいう。以下同じ。)に係る被合併法人等の対象特定合併等の日の前日までに終了した各事業年度等の一定の事業年度の所得の金額を加算する。
判定法人が連結法人に該当していたこと各基準年度の所得の金額の合計額に判定法人の各連結事業年度の連結所得の金額を加算する。

【令和4年4月1日以後の上記(2)】

(2) 普通法人、一般社団法人等又は人格のない社団等

  • ① 普通法人のうち②及び③以外のもの(法66①) 23.2%
  • ② 期末資本金が1億円以下の普通法人(注1)、一般社団法人等又は人格のない社団等(法66②)
      年800万円以下の所得金額 19%(注4)
      年800万円を超える所得金額 23.2%
  • ③ 中小通算法人(法66⑥)(注2)
      軽減対象所得(注3)以下の所得金額 19%(注4)
      軽減対象所得(注3)を超える所得金額 23.2%

(注1) 通算法人及び次に掲げる法人を除く(法66②⑤)。

  • イ【令和4年4月1日前の上記(2)(※)①と同じ。】
  • ロ【令和4年4月1日前の上記(2)(※)②と同じ。】
  • ハ【令和4年4月1日前の上記(2)(※)③と同じ。】
  • ニ【令和4年4月1日前の上記(2)(※)④と同じ。】
  • ホ【令和4年4月1日前の上記(2)(※)⑤と同じ。】
  • ヘ【令和4年4月1日前の上記(2)(※)⑥と同じ。】

(注2) 上記の「中小通算法人」とは、大通算法人(通算法人である普通法人又はその普通法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人のうち、いずれかの法人が次に掲げる法人に該当する場合におけるその普通法人をいう。)以外の通算法人をいう。

(注3) 上記の「軽減対象所得金額」とは、次の算式により計算した金額をいう(法66⑦)。
   《算式》
    800万円×〔中小通算法人の所得の金額/中小通算法人の所得の金額及びその中小通算法人との間に通算完全支配関係がある他の中小通算法人の所得の金額の合計額〕

(注4) 適用除外事業者以外の法人に係る平成24年4月1日から令和5年3月31日までの各事業年度の所得に対する上記の19%の税率は、15%の税率となる措置が講じられている(措法42の3の2)。

(3) 財団又は社団(持分の定めのないもの)である医療法人のうち一定の要件を備えたもので国税庁長官の承認を受けた法人(医療法第42条の2第1項に規定する社会医療法人を除く。)(措法42の3の2①)
   年800万円以下の所得金額 15%
   年800万円を超える所得金額 19%

備考

土地譲渡益に対する特別税率については735頁参照。

平成24年4月1日から平成26年3月31日までの期間内に最初に開始する事業年度開始の日から同日以後2年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度については、各事業年度の所得の金額に対する法人税の額に10%の税率を乗じて計算した復興特別法人税が課されていた。復興特別法人税については、786頁参照。

一般社団法人等とは、別表第二に掲げる一般社団法人及び一般財団法人並びに公益社団法人及び公益財団法人をいう(法66①)。

左記の税率15%の部分は、平成24年4月1日から令和5年3月31日までの各事業年度の所得に対するものである(措法42の3の2)。

左記の税率23.2%の部分は、平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度については、23.4%となる(平成28年改正法附則26)。

大法人とは、左記(※)①若しくは②に該当する法人又は資本金の額若しくは出資金の額が5億円以上である法人をいう(法66⑥二)。

一般社団法人等とは、別表第二に掲げる一般社団法人及び一般財団法人並びに公益社団法人及び公益財団法人をいう(法66①)。

左記の税率23.2%の部分は、平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度については、23.4%となる(平成28年改正法附則26)。

大法人とは、左記(注1)イ若しくはロに該当する法人又は資本金の額若しくは出資金の額が5億円以上である法人をいう(法66⑤二)。

左記の「適用除外事業者」とは、その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度(以下「基準年度」という。)の所得の金額の合計額をその各基準年度の月数の合計数で除し、これに12を乗じて計算した金額(一定の事由がある場合には、その計算した金額に一定の調整を加えた金額)が15億円を超える法人をいう(措法42の4⑲八、措令27の4○26~○28)。

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