税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

みなし仕入率

  • 1 みなし仕入率は、次の事業の種類の区分に応じ、それぞれ次に掲げる割合が適用される(法37①一、令57①~⑤)。
    • イ 第1種事業……90%
        第1種事業とは、卸売業(他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで他の事業者に対して販売する事業に限る。)をいう。
    • ロ 第2種事業……80%
        第2種事業とは、小売業(他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売する事業で第1種事業以外のものに限る。)をいう。
    • ハ 第3種事業……70%
        第3種事業とは、農業、漁業、林業、鉱業、建設業、製造業(製造した棚卸資産を小売する事業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業及び水道業をいい、第1種事業又は第2種事業に該当するもの及び加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業を除く。
    • ニ 第4種事業……60%
        第4種事業とは、第1種事業、第2種事業、第3種事業、第5種事業及び第6種事業以外の事業をいい、具体的には、飲食店業等が該当する。
    • ホ 第5種事業……50%
        第5種事業とは、運輸通信業、金融業、保険業、サービス業(飲食店業を除く。)をいい、第1種事業から第3種事業に該当するものを除く。
    • ヘ 第6種事業……40%
        第6種事業とは、不動産業をいい、第1種事業から第3種事業及び第5種事業に該当するものを除く。
  • 2 事業者が、第1種事業から第6種事業のうち二以上の事業を営んでいる場合のみなし仕入率は、原則として、それぞれの事業区分ごとの売上げに係る消費税額にそれぞれのみなし仕入率を乗じたものの加重平均値となるが、次に掲げる場合に該当するときは、それぞれ次のようなみなし仕入率により計算を行うことができる。
    • イ 二以上の事業を営む事業者で、一事業に係る課税売上高の総課税売上高に占める割合が75%以上である事業者については、当該一事業に係るみなし仕入率を当該一事業以外の事業に対しても適用することができる(令57②)。
    • ロ 三以上の事業を営む事業者で、二事業に係る課税売上高の合計の総課税売上高に占める割合が75%以上である事業者については、総売上げに係る消費税額のうちに次に掲げる金額の合計額の占める割合とすることができる(令57③)。
    • ① 当該二事業のうちみなし仕入率が高い事業(例えば、第1種事業と第2種事業の場合には、第1種事業)の売上げについて、当該事業のみなし仕入率を適用して計算した金額
    • ② 売上げに係る消費税額から、みなし仕入率の高い事業に係る消費税額を控除した残額に、当該二事業のうち低い方のみなし仕入率を適用して計算した金額
  • 3 事業者が、二以上の事業を営んでいる場合において、事業の種類ごとに売上げを区分していない場合には、その区分していない事業に係る売上げの全体について最も低いみなし仕入率(例えば、第1種事業、第2種事業と第3種事業の場合には第3種事業の70%)が適用される(令57④)。

備考

事業者が行う事業が第1種事業、第2種事業、第3種事業、第4種事業、第5種事業又は第6種事業のいずれの事業に該当するかの判定は、原則として、事業者が行う課税資産の譲渡等ごとに行う(基通13-2-1)。

令和5年10月1日以降、農林水産業(飲食料品の譲渡を行う部分に限る。)を第2種事業とする。

いわゆる製造問屋、自己が請け負った建設工事の全部を下請に施工させる元請、天然水を採取して瓶詰等して人の飲用に販売する事業及び新聞、書籍等の発行、出版を行う事業は、第3種事業に該当する(基通13-2-5)。

事業者が自己において使用していた固定資産等の譲渡を行う事業は、第4種事業に該当する(基通13-2-9)。

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