税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

取引相場のない株式

この解説は最終更新日から1年以上経過しており、現行法令に準拠していない可能性があります。

税務研究会お試し

 その会社の規模の大小に応じ、次の評価方式などを定めている(評基通178186-2)。

① 大会社

 類似業種比準方式(次の算式により計算)又は純資産価額方式(算式は③小会社の項)のいずれか

 〔類似業種平均株価〕  (配当)  (利益)〔簿価ベース純資産〕〔調整割合〕

     A   ×{〔(○B/B)+(○C/C)+(○D/D)〕/3}×0.7

 〔○B、○C及び○Dは評価会社の1株当たりの価額 B、C及びDは類似業種の1株当たりの価額〕

 (注) この算式の「0.7」の調整割合は、中会社の場合には「0.6」に、小会社の場合には「0.5」とする。

 なお、大会社とは、次のいずれかに該当する会社とされる(評基通178)。

 〇従業員数が70人以上

 〇総資産価額(簿価)が卸売業20億円以上、それ以外の業種15億円以上(いずれの業種も従業員数が35人以下の会社を除く。)

 〇年間取引金額が卸売業30億円以上、小売・サービス業20億円以上、それ以外の業種15億円以上

② 中会社(大会社と小会社の中間規模の会社)

 純資産価額方式又は次の類似業種比準方式と純資産価額方式との併用方式のいずれか

 類似業種比準価額×L+純資産価額×(1-L)

Lの割合={大会社に近いもの 0.90
中間のもの    0.75
小会社に近いもの 0.60

 Lは評価会社の直前期末における総資産価額及び従業員数又は直前期末以前1年間における取引金額に応じて次に定める割合のうち、いずれか大きい方の割合による(評基通179(2))。

ⅰ 直前期末における総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)及び従業員数に応ずる割合

卸売業7,000万円以上
(従業員数が5人以下の会社を除く。)
2億円以上
(従業員数が20人以下の会社を除く。)
4億円以上
(従業員数が35人以下の会社を除く。)
卸売業以外の業種5,000万円(小売・サービス業4,000万円)以上
(従業員数が5人以下の会社を除く。)
2億5,000万円以上
(従業員数が20人以下の会社を除く。)
5億円以上
(従業員数が35人以下の会社を除く。)
割合0.600.750.90

ⅱ 直前期末以前1年間における取引金額に応ずる割合

卸売業2億円以上
3億5,000万円未満
3億5,000万円以上
7億円未満
7億円以上
30億円未満
小売・サービス業6,000万円以上
2億5,000万円未満
2億5,000万円以上
5億円未満
5億円以上
20億円未満
上記以外の業種8,000万円以上
2億円未満
2億円以上
4億円未満
4億円以上
15億円未満
割合0.600.750.90

③ 小会社

 純資産価額方式(次の算式により計算)又は類似業種比準方式と純資産価額方式との併用方式(Lの割合0.50)のいずれか

  〔相続税評価による純資産-評価差額に対する法人税等相当額(注)〕÷発行済株式数

  (注) 評価差額に対する法人税等相当額=〔相続税評価による純資産-簿価純資産〕×37%

 小会社とは、次のいずれにも該当する会社をいう。

 〇従業員数が70人未満

 〇総資産価額(簿価)が卸売業7,000万円未満、小売・サービス業4,000万円未満、それ以外の業種5,000万円未満又は(いずれの業種も)従業員数が5人以下

 〇年間取引金額が卸売業2億円未満、小売・サービス業6,000万円未満、それ以外の業種8,000万円未満

④ 特定の評価会社(評基通189

 純資産価額方式(イの株式等保有特定会社は修正類似業種比準方式によることもできる。)

 特定の評価会社とは、次に掲げるものをいう(割合はいずれも相続税評価額ベース)。

  • イ 株式等保有特定会社
      株式等の価額総資産価額 ≧50%
  • ロ 土地保有特定会社
      〇大会社 土地等の価額総資産価額 ≧70%
      〇中会社 土地等の価額総資産価額 ≧90%
      〇小会社 対象としない
  • ハ 開業後3年未満の会社等
      〇開業後3年未満の会社
      〇課税時期直前3年間の比準要素中、いずれもゼロである会社
      (注) 上記の「2要素以上ゼロの会社」については、直前期末を基として計算した場合に三つの比準要素の全てがゼロである会社を除き、類似業種比準方式と純資産価額方式の併用(類似業種比準方式のウェイト25%)による評価方法とすることができる。

  • 税務通信

     

    経営財務