税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例

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  • イ 平成15年1月1日から令和3年12月31日までの間にその年の1月1日において60歳未満の者からの贈与により住宅取得等資金の取得をした特定受贈者が、次の(イ)から(ハ)に掲げる場合に該当するときは、当該特定受贈者については、相続時精算課税制度を適用することができる(以下「相続時精算課税選択の特例」という。)(措法70の3①~③、措規23の6①②)。
    • (イ) 特定受贈者が贈与により住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌年の3月15日までに当該住宅取得等資金の全額を住宅用家屋の新築若しくは建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得又はこれらの住宅用家屋の新築若しくは取得とともにするその敷地の用に供されている土地等の取得(住宅用家屋の新築に先行してするその敷地の用に供されることとなる土地等の取得を含む。)のための対価に充てて当該住宅用家屋の新築(新築に準ずる状態として、屋根(その骨組みを含む。)を有し、土地に定着した建造物として認められる時以後の状態にあるものを含む。)又は取得をした場合において、同日までに新築若しくは取得をしたこれらの住宅用家屋を当該特定受贈者の居住の用に供したとき又は新築若しくは取得をしたこれらの住宅用家屋を同日後遅滞なく当該特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれるとき
    • (ロ) 特定受贈者が贈与により住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌年の3月15日までに当該住宅取得等資金の全額を既存住宅用家屋の取得又は当該既存住宅用家屋の取得とともにするその敷地の用に供されている土地等の取得のための対価に充てて当該既存住宅用家屋の取得をした場合において、同日までに当該既存住宅用家屋を当該特定受贈者の居住の用に供したとき又は当該既存住宅用家屋を同日後遅滞なく当該特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれるとき
    • (ハ) 特定受贈者が贈与により住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌年の3月15日までに当該住宅取得等資金の全額を当該特定受贈者が居住の用に供している住宅用の家屋について行う増改築等又は当該家屋について当該増改築等とともにするその敷地の用に供されることとなる土地等の取得の対価に充てて当該住宅用の家屋について当該増改築等(増改築等の完了に準ずる状態として、増築又は改築部分の屋根(その骨組みをを含む。)を有し、既存の家屋と一体となって土地に定着した建造物として認められる時以後の状態にあるものを含む。)をした場合において、同日までに増改築等をした当該住宅用の家屋を当該特定受贈者の居住の用に供したとき又は増改築等をした当該住宅用の家屋を同日後遅滞なく当該特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれるとき
  • ロ 上記イの(イ)から(ハ)の家屋を住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌年3月15日後遅滞なく特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれるとして、相続時精算課税選択の特例の適用を受け、贈与税の申告書を提出していた場合において、同年12月31日までに当該特定受贈者の居住の用に供していなかったときは、相続時精算課税選択届出書の提出はなかったものとみなされ、同日より2か月以内に修正申告書を提出しなければならない(措法70の3④)。
  • ハ 相続時精算課税選択の特例の適用に当たっては、贈与税の期限内申告書に当該特例の適用を受けようとする旨を記載し、相続時精算課税選択届出書、計算の明細書その他の必要書類を添付して、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない(措法70の3①②⑦、相法21の9②)。
  • ニ 相続時精算課税選択の特例の適用を受けた場合には、当該特例の対象となる住宅取得等資金の贈与のあった年分以降の年分について、相続時精算課税適用者とみなされた者が特定贈与者とみなされた者からの贈与により取得した財産については、その財産が住宅取得等資金であるか否かにかかわらず相続時精算課税制度の適用を受けることになる(措法70の3②、相法21の9③)。

備考

特定受贈者とは、次の①~③の全ての要件を満たす者をいう(措法70の3③一)。

  • ① 相続税法第1条の4第1号又は第2号に規定する個人であること
  • ② 住宅取得等資金の贈与をした者の直系卑属である推定相続人(孫を含む。)であること
  • ③ 住宅取得等資金の贈与を受けた日の属する年の1月1日において20歳以上の者であること

住宅取得等資金とは、次の①~③のいずれかに掲げる新築、取得又は増改築等(特定受贈者の配偶者その他の特定受贈者と特別の関係がある者から新築、取得又は増改築等をする場合を除く。)の対価に充てるための金銭をいう(措法70の3③五、措令40の5⑤)。

  • ① 特定受贈者による住宅用家屋の新築又は建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得(これらの住宅用家屋の新築又は取得とともにするその敷地の用に供されている土地等の取得を含む。)
  • ② 特定受贈者による既存住宅用家屋の取得(当該既存住宅用家屋の取得とともにするその敷地の用に供されている土地等の取得を含む。)
  • ③ 特定受贈者が所有している家屋につき行う増収築等(当該家屋についての当該増改築等とともにするその敷地の用に供されることとなる土地又は土地の上に存する権利の取得を含む。)

耐震基準又は経過年数基準に適合しない住宅用家屋(以下「要耐震改修住宅用家屋」という。)の取得をした場合において、贈与年の翌年3月15日までに耐震改修によりその要耐震改修住宅用家屋が耐震基準に適合することとなったときは、その要耐震改修住宅用家屋はこの特例の対象となる既存住宅用家屋と、要耐震改修住宅用家屋の取得は既存住宅用家屋の取得と、それぞれみなされる(措法70の3⑦)。

当該期間内に提出のあった修正申告書は、期限内申告書とみなされる(措法70の3⑥)。
 なお、修正申告書の提出がない場合には、税務署長は更正を行う(措法70の3⑤)。

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