税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

法人税の課税標準

 法人税の課税標準は、各事業年度の所得及び退職年金等積立金である(法58)。

備考

課税所得の計算は、内国法人についてのみ説明し、外国法人については省略するが、外国法人の恒久的施設帰属所得に係る所得金額の計算は、別段の定めがあるものを除き、内国法人の所得金額の計算に準じて行い、恒久的施設非帰属国内源泉所得に係る所得金額の計算は、恒久的施設帰属所得に係る所得金額の計算に準じて行う(法142142の10)。

債務の確定の判定は次による(基通2-2-12)。

  • ① 事業年度終了の日までにその費用に係る債務が成立していること
  • ② 事業年度終了の日までにその債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること
  • ③ 事業年度終了の日までにその金額を合理的に算定することができるものであること

受益者等課税信託においては、信託の設定による委託者から受託者への信託財産の移転又は信託の終了に伴う受託者から受益者への信託財産の移転は、原則として法人税関係法令の適用上資産の譲渡又は取得には該当しない(基通14-4-5)。

外国法人に対する退職年金等積立金に対する法人税の計算は、内国法人に対するものの計算に準じて行う(法145の2145の4)。

1 各事業年度の所得

(原則)

 各事業年度の所得とは各事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額をいい、法令により別段の定めがある場合を除き一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものである(法22①④)。

(益金の額の意義)

 益金の額とは、法令により別段の定めのあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る収益の額をいう(法22②)。

(損金の額の意義)

 損金の額とは、法令により別段の定めのあるものを除き、①収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額、②販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額及び③損失の額で資本等取引以外の取引に係るものをいう(法22③)。

2 土地譲渡益の特別課税

 法人の土地譲渡益に対しては、通常の法人税のほか、特別の課税の規定がある(措法62の363)。ただし、平成10年1月1日から令和5年3月31日までの間の土地の譲渡等には適用されない(措法62の3⑮、63⑧)。詳細は735頁以下参照。

3 退職年金等積立金の額

 一定の要件に該当する退職年金に関する信託、生命保険、損害保険又は生命共済等の業務を行う法人は、その退職年金等積立金について100分の1の税率によって課税されるが、この退職年金等積立金は、その事業年度開始の時までに年金の掛金として払い込まれた金額とその掛金についての運用益として計算される金額の合計額からその事業年度開始の時までに退職年金等として支給した金額を控除した額である。(法838487)。ただし、平成11年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度の退職年金等積立金については、法人税は課税されない(措法68の5)。

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