税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

確定決算の意義

 法人税の課税標準は、確定した決算に基づいて計算される。この課税標準は、原則として、法人が自ら計算し、その明細を法人税申告書に記載して申告するいわゆる申告納税方式が採用されている。

 法人税の課税標準は、確定した決算に基づく申告によって確定するが、確定した決算に基づく申告とは、具体的には、次のことを表明したものである。

  • (1) 法人税の申告は、法人がその決算に基づく計算書類につき株主総会の承認、総社員の同意その他の手続による承認を受けた後、その承認を受けた決算に係る利益の計算に基づいて税法の規定により所得金額の計算を行い、その所得金額及び利益の計算とその所得金額の計算の差異を申告書において表現するものであること
  • (2) 税法で定めている事項を除いて、利益の計算に関する事項について、会社法その他法人の計算に関する法令の規定及び一般に認められた適正な企業会計の原則により利益の計算上妥当と認められ、かつ、所得金額の計算上も合理的と認められる方法が二以上ある場合において、法人がその事項につき利益の計算において適用している方法がそれらの方法のうちいずれか一の方法であるときは、その事項については、所得金額の計算上もその法人が採用している方法が適用されるべきものであること

備考

法人が確定した決算において費用又は損失として経理することを損金経理という(法2二十五)。

会計監査人設置会社については、会計監査人及び監査役(監査委員会)が適法と認めたときは、貸借対照表及び損益計算書につき株主総会の承認は要しない(会社法439)。

所得金額の計算上、法人が適用している方法と異なる方法を適用して申告を行い、又はその異なる方法を適用すべき旨を理由として更正の請求若しくは不服申立てを行っても、その事業年度の所得の金額の計算上、その異なる方法は適用されない。

(決算締切日)

 商慣習その他相当の理由により、各事業年度に係る収入及び支出の計算の基礎となる決算締切日を継続してその事業年度終了の日以前おおむね10日以内の一定の日としている場合には、これを認める(基通2-6-1)。

(設立期間中の損益)

 設立期間中に生じた損益は、その設立後最初の事業年度の所得の金額の計算に含めて申告することができるものとする。ただし、設立期間がその設立に通常要する期間を超えて長期にわたる場合又はその法人が個人事業を引き継いで設立されたものである場合については、この限りでない(基通2-6-2)。

備考

設立第1期の開始の日は、設立の日となることに留意(基通2-6-2(注)1)。

現物出資により設立した法人のその現物出資の日から設立の日の前日までに生じた損益は、設立後最初の事業年度の所得の金額の計算に含めて申告することとなる(基通2-6-2(注)2)。

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