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[全文公開] 事業所税の申告期限の延長

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新型コロナウイルス感染症の影響で,法人税の申告期限を個別指定で延長した場合に地方法人二税を延長するには,法人事業税は別途申請が必要なのに対し,法人住民税は原則,別途申請が不要である( №3598 )。

このほか,法人が申告すべき地方税である「事業所税」の申告期限は,自治体から公示等での延長がない限り,納税者からの別途申請が必要とのことだ。

事業所税とは,人口30万以上などの指定都市等が,都市環境の整備等の事業に要する費用に充てるため,その指定都市等内の事業所等で行う事業に対して課する目的税のこと( 地法701の30 等)。事業所税の申告は,事務所等で事業を行う法人が,原則, 各事業年度終了の日から2か月以内 に行わなければならないが( 地法701の46 ①),“災害その他やむを得ない理由”で期限内申告できないと認められるときは,自治体の条例の定めにより期限を延長できる( 地法20の5の2 ①)。

法人事業税と同様に自治体の多くは,①自治体からの公示等,②納税者からの申請で延長が可能となるが,①公示等がなされている場合は,延長の期日,対象となる納税義務者などを指定して 一律 で延長を認めているため,申請は 不要 だという。例えば,熊本市は新型コロナの影響を考慮し,令和2年3月19日から同年12月15日までに到来する事業所税の申告期限を,同年12月16日まで延長している(熊本市『事業所税の申告納付期限の延長について』)。一方,①がない自治体では,②納税者からの書面による申請によって個別延長を認めているところが多いとのことだ。

なお,①②いずれの方法でも,延長した期間に係る延滞金は課されない( 地法20の9の5 ①)。