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[全文公開] 地方税法等の一部を改正する法律案要綱(2年4月27日提出)

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新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置が納税者等に及ぼす影響の緩和を図るため,個人住民税,不動産取得税,自動車税,固定資産税等に係る特例措置を講ずるとともに,固定資産税等の減収を補填する措置等を講ずることとし,次のとおり地方税法等の一部を改正するものとする。

第一 地方税法に関する事項

一 道府県民税及び市町村民税

1  個人の道府県民税及び市町村民税の寄附金税額控除について,所得割の納税義務者が,一定の入場料金等払戻請求権の放棄のうち住民の福祉の増進に寄与するものとして都道府県又は市区町村の条例で定めるものを一定の期間内にした場合には,当該納税義務者がその放棄をした日の属する年中にその放棄をした部分の入場料金等払戻請求権の価額に相当する金額(一定の金額を除く。)の合計額(20万円を超える場合には,20万円)の寄附金を支出したものとみなして,道府県民税及び市町村民税に関する規定を適用すること。(附則第60条関係)

2  個人の道府県民税及び市町村民税の住宅借入金等特別税額控除について,一定の場合に,その適用期限を令和16年度分の個人の道府県民税及び市町村民税まで延長すること。(附則第61条関係)

二 不動産取得税

耐震基準不適合既存住宅を取得し,当該耐震基準不適合既存住宅の耐震改修に係る契約を一定の日までに締結している個人が,新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により当該耐震改修をして当該耐震基準不適合既存住宅をその取得の日から6月以内にその者の居住の用に供することができなかったことにつき証明がされた場合において,当該耐震改修をして当該耐震基準不適合既存住宅を令和4年3月31日までにその者の居住の用に供したとき(当該耐震基準不適合既存住宅を当該耐震改修の日から6月以内にその者の居住の用に供した場合に限る。)は,一定の税額を減額する特例措置を講ずること。(附則第62条関係)

三 自動車税

令和元年10月1日から令和2年9月30日までの間に取得した自家用の乗用車に係る環境性能割の非課税措置及び税率の特例措置の適用期限を令和3年3月31日まで延長すること。(附則第12条の2の10,第12条の2の12関係)

四 固定資産税及び都市計画税

1  一定の中小事業者等が所有し,かつ,その事業の用に供する一定の家屋及び償却資産について,次のとおり固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置を講ずること。(附則第63条関係)

(一) 一定の中小事業者等が所有し,かつ,その事業の用に供する一定の家屋及び償却資産に対して課する令和3年度分の固定資産税又は都市計画税の課税標準について,新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により令和2年2月から10月までの間における連続する3月の期間の当該中小事業者等の収入の合計額を当該期間の初日の1年前の日から起算して3月を経過する日までの期間の当該中小事業者等の収入の合計額で除して得た割合(以下「事業収入割合」という。)が100分の50以下となる場合,その価格に零(事業収入割合が100分の70以下となる場合は,その価格に2分の1)を乗じて得た額とすること。

(二) 当該中小事業者等は,令和3年1月31日までに市町村長等に(一)の適用があるべき旨の申告をするものとし,当該申告に係る所要の罰則を設けるものとすること。

2  中小事業者等がこの法律の施行の日から令和3年3月31日までの間に生産性向上特別措置法に規定する認定先端設備等導入計画に従って取得をした同法に規定する先端設備等に該当する一定の家屋及び構築物について,固定資産税の課税標準を当該家屋及び構築物に対して新たに固定資産税が課されることとなった年度から3年度間はその価格に零以上2分の1以下の範囲内において市町村の条例で定める割合を乗じて得た額とすること。(附則第64条関係)

五 軽自動車税

令和元年10月1日から令和2年9月30日までの間に取得した自家用の三輪以上の軽自動車であって乗用のものに係る環境性能割の非課税措置及び税率の特例措置の適用期限を令和3年3月31日まで延長すること。(附則第29条の8の2,第29条の18関係)

六 その他

1  地方団体の長は,新型コロナウイルス感染症等の影響による事業収入の減少等の事実がある場合において,納税者又は特別徴収義務者が特定日までに納付し,又は納入すべき一定の地方団体の徴収金を一時に納付し,又は納入することが困難であると認められるときは,その地方団体の徴収金の納期限内にされたこれらの者の申請(地方団体の長においてやむを得ない理由があると認める場合には,その地方団体の徴収金の納期限後にされた申請を含む。)に基づき,その納期限から1年以内の期間を限り,その徴収を猶予することができるものとすること。(附則第59条関係)

2  1の徴収の猶予の申請をしようとする者は,新型コロナウイルス感染症等の影響による事業収入の減少等の事実があること及びその地方団体の徴収金を一時に納付し,又は納入することが困難である事情の詳細等を記載した申請書に,当該新型コロナウイルス感染症等の影響による事業収入の減少等の事実を証するに足りる書類等を添付し,これを地方団体の長に提出しなければならないものとすること。(附則第59条関係)

3  四による都道府県及び市町村の固定資産税等の減収を補填するため,新型コロナウイルス感染症対策地方税減収補填特別交付金を創設すること。(附則第65条から第77条まで関係)

第二 地方財政法に関する事項

地方税法の改正に伴い,令和2年度及び令和3年度に限り,地方公共団体が新型コロナウイルス感染症等に係る徴収の猶予をする場合等について,これらによる減収額を埋めるための地方債の特例措置を講ずること。(第33条の5の12関係)

第三 地方特例交付金等の地方財政の特別措置に関する法律に関する事項

軽自動車税の環境性能割の非課税措置及び税率の特例措置の適用期限の延長に伴い,軽自動車税減収補填特例交付金の交付の期限を令和3年度まで延長すること。(第2条,第3条の3,第5条関係)

第四 その他

1  その他所要の規定の整備を行うこと。

2  前記第一の一の改正は令和3年1月1日から,第一の六の3及び第三の改正は令和3年4月1日から,その他の改正は公布の日から施行すること。