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[全文公開] 地方税の猶予特例と宥恕規定

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新型コロナの影響により措置された「地方税の徴収猶予の特例」。期限延長はされず,このほど終了を迎えたが,申請ができなかった一定の理由がある場合は,期限“後”であっても申請が受けられる宥恕規定が設けられている。

地方税における徴収猶予の特例は,令和3年2月1日までに納期限が到来する地方税を対象に,事業等に係る収入に相当の減少があった場合,自治体に申請することで無担保かつ延滞金なしで1年間徴収を猶予するというもの(地法附則59)。

申請期限も同日までだが,自治体の長がやむを得ない理由があると認める場合は,同日までに納期限が到来する対象税目に限って,令和3年2月2日以降もeLTAX等による方法で申請を受け付ける。

ここでいう“やむを得ない理由”は,実務担当者が新型コロナに罹患した場合や,濃厚接触者となって外出ができない等の場合が該当例として想定されるという。申請時には,こうしたやむを得ない理由があったことを示せる資料を求められることもあるため準備しておくのが望ましい。

一方で,“令和3年2月2日以後”に納期限が到来する税目は,宥恕規定の対象外だ。例えば,固定資産税等の令和2年度第4期分(納期限が令和3年3月1日)などは,通常の徴収猶予( 地法15 )で適用を検討することとなる。

通常の徴収猶予について申請する場合は,自治体ごとで申請書の様式や必要となる添付書類等が異なる。原則として担保が必要となるが,各自治体の条例によっては担保不要とされているケースもあるため,検討する際は事前に各自治体の担当課に確認するといいだろう。