※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[全文公開] 低未利用土地の譲渡と100万円控除

( 45頁)

令和2年度改正で創設された低未利用土地等の譲渡特例では、令和4年12月31日までに一定の低未利用土地等を500万円以下で譲渡した場合、長期譲渡所得の金額から最大100万円を控除できる。適用に当たっては申告前に市区町村の確認を受ける必要がある。

同特例における低未利用土地等とは、居住用・事業用その他の用途に利用されていないか、利用の程度が周辺地域等と比べて著しく劣っている土地及びその上に存する権利のことで、都市計画区域内にあるものが対象となる( 措法35の3 等)。

適用時に確定申告書への添付が必要な「低未利用土地等確認書」では、譲渡した土地等が低未利用土地等に該当すること、所有期間5年超であること、譲渡後の土地等の利用見込み等について、市区町村の確認を受けなければならない。

基本的な手続の流れとしては、低未利用土地等の譲渡後、売主が市区町村へ確認書の交付申請を行う際に、売買契約書等の写しに加え、低未利用土地等であることを確認するための書類(空き地・空き家バンクの登録確認書類や宅建業者による現況更地等の広告等)を提出する。交付申請を受けた市区町村は、宅建業者等と連携して買主側の土地利用の意向等も確認した上で、確認書を交付する。

国土交通省が公表した確認書の交付実績は、令和2年7月から12月までが2,060件、令和3年1月から12月までが3,090件で、所有期間30年以上の土地等が約6割を占める。

同特例の適用期限は令和4年12月31日で、同日までの低未利用土地等の譲渡が対象。市区町村への確認書の申請は令和5年以後も可能だが、確定申告時までに交付を受けておくことが必要となる。