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[全文公開] 今週のFAQ(5/1/16)<R5改正と外形標準課税の見直し>

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地方税の外形標準課税の対象法人の基準の見直しに関する議論がされていましたが( №3729 等)、令和5年度税制改正大綱には盛り込まれなかったのでしょうか。

総務省の地方財政審議会は令和4年11月16日、法人事業税の外形標準課税等の見直しを議論する「地方法人課税に関する検討会」がまとめた中間整理を踏まえ、「令和5年度地方税制改正等に関する地方財政審議会意見」を総務大臣に提出しています。しかし、令和5年度税制改正大綱に同見直しは盛り込まれず、今年も引き続き検討がされる模様です。

与党の同大綱によれば、法人事業税の外形標準課税は、平成16年度に資本金1億円超の大法人を対象に導入されましたが、資本金1億円以下への減資を中心とした要因により、導入時に比べて約3分の2まで対象法人数が減少しています。また、持株会社化・分社化の際に、外形標準課税の対象範囲が実質的に縮小する事例も生じているといいます。

こうした減資や組織再編による対象法人数の減少や対象範囲の縮小は、法人税改革の趣旨や、地方税収の安定化・税負担の公平性といった制度導入の趣旨を損なうおそれがあり、外形標準課税の対象から外れている実質的に大規模な法人を対象に、制度的な見直しを検討することを示しました。その上で、今後の外形標準課税の適用対象法人のあり方については、地域経済・企業経営への影響も踏まえながら引き続き慎重に検討を行うとしています。