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[全文公開] 生前贈与の加算期間のカウント

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令和5年度改正では、暦年課税における相続開始前の贈与(生前贈与)の加算期間が、現行の相続開始前3年以内から7年以内に延長される予定だ。ここでいう加算期間は、相続開始日からさかのぼって3年目(改正後は7年目)の応当日からその相続開始日までの期間をいう( 相基通19-2 )。

現行では、相続又は遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から贈与により取得した財産がある場合には、その取得した贈与財産の価額(贈与時の価額)を相続税の課税価格に加算して相続税額を計算することになっている( 相法19 ①)。

令和5年度改正後の加算期間は、経過措置期間を経た上で、令和13年中の相続開始から7年に延長される予定だが(相法(案)19①、改正法(案)附則19)、加算期間のカウント方法は現行と同様だ。そのため、例えば、相続開始日が令和13年4月1日の場合、同日からさかのぼって7年目の応当日である令和6年4月1日から相続開始日(令和13年4月1日)までの期間に行われた贈与が加算対象となる。

また、経過措置期間である令和9年から令和12年については、令和5年度改正法案の附則において、同改正の施行日である令和6年1月1日から相続開始日までの贈与を加算対象としている(改正法(案)附則19③)。例えば、相続開始日が令和10年4月1日の場合、同日から4年目の応当日の令和6年4月1日でなく、“令和6年1月1日”から相続開始日(令和10年4月1日)までの期間に行われた贈与が加算対象となる。

なお、令和5年度改正により、相続開始前3年以内に取得した財産以外の財産(延長された4年間に取得した贈与財産)については、その財産の価額の合計額から100万円を控除した残額を加算する(相法(案)19①等)。