M&Aにおけるデューデリジェンス費用を巡る諸問題と実務上の留意点
税理士 諸星 健司
はじめに
M&Aに際して行うデューデリジェンス等(買収企業の価値、経営状況や財務状況等の潜在的なリスクの事前調査等をいい、その範囲は財務、法務、労務など多岐にわたる場合もある)の費用を、取得した株式等の取得価額に算入すべきか、損金としての処理が認められるかについては、その対象株式を取得する意思決定をした後において発生する費用について取得価額に算入し、意思決定前の費用については損金算入が可能という考え方がこれまでの基本となっていると考える。
ところで、納税者がデューデリジェンス等の費用について損金算入していたものが調査等で取得価額に含めるべきとして行われた更正処分について、国税不服審判所で争われた事例がいくつかあり、取締役会や株主総会等での取得決議前に発生した費用であっても株式の取得価額に算入すべきとされた裁決が見受けられる。
この度、デューデリジェンス費用を争点とした事件について東京地裁から判決が出された(税務通信 №3889 )ことから、「有価証券の購入のために要した費用」の判断基準について、これまでの裁決や判決における考え方を今一度整理した上で、今後の各企業における対応等を検討することとする。...
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