概要
<通達本文>
(1) 法人について更生手続開始の決定があった場合において,債権者からの債務の免除を受けたとき(債権が債務の免除以外の事由により消滅した場合でその消滅した債務に係る利益の額が生ずるときを含む。),役員若しくは株主である者又はこれらであった者から私財の提供を受け,又は会社更生法又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の規定に従って行う評価換えが行われるときは,その債務免除等を受ける日等の属する事業年度(以下(1)において「適用年度」という。)前の事業年度において生じた欠損金額のうちその債務免除益,私財提供益及び資産評価益(評価損の額がある場合には評価損の額を控除した金額)の合計額に相当する金額に達するまでの金額は,当該適用年度の損金の額に算入される(令116の2)。
損金の額に算入される欠損金額は,適用年度終了の時における前事業年度から繰り越された欠損金額の合計額である(令116の2)。
なお,法57⑤)。
(2) 法人について再生手続開始の決定があり,又は法人に令117)。
ただし,当該合計額が法59②)。
① 対象となる一定の事実
イ 再生手続開始の決定があったこと。
ロ 法人税法第25条第3項又は第33条第4項に規定する政令で定める事実(すなわち,再生計画認可の決定があったことに準ずる事実)があったこと。
② 対象となる益金
債権者からの債務免除益(債務消滅益を含む。),役員又は株主である者等からの私財提供益及び資産の評価損益であるが,この場合の免除債権は次のものに限られる(令117の2)。
イ 再生手続開始の決定の場合……民事再生法第84条に規定する再生債権(同法に規定する共益債権及び一般優先債権で,再生手続開始前の原因に基づいて生じたものを含む。)
ロ 再生計画認可の決定があったことに準ずる事実の場合……その事実の発生前の原因に基づいて生じた債権
(3) 法人について再生手続開始の決定があったこと等の一定の事実が生じた場合(上記(2)の場合を除く。)において,債権者からの債務の免除を受けたとき(債権が債務の免除以外の事由により消滅した場合でその消滅した債務に係る利益の額が生ずるときを含む。),又は役員若しくは株主である者又はこれらであった者から私財の提供を受けたときは,その債務免除等を受ける日等の属する事業年度(以下(3)において「適用年度」という。)前の事業年度において生じた一定の欠損金額(適用年度終了の時における前事業年度以前の事業年度から繰り越された欠損金額の合計額から令117の4)。
ただし,当該合計額が法59③)。
① 対象となる一定の事実
イ 再生手続開始の決定があったこと。
ロ 特別清算開始の命令があったこと。
ハ 破産手続開始の決定があったこと。
ニ イからハまでに掲げる事実に準ずる事実(更生手続開始の決定があったこと及び上記(2)①ロの事実を除く。)があったこと。
② 対象となる益金 債権者からの債務免除益(債務消滅益を含む。),役員又は株主である者等からの私財提供益及び資産の評価損益であるが,この場合の免除債権は次のものに限られる(令117の3)。
イ 再生手続開始の決定の場合……民事再生法第84条に規定する再生債権(同法に規定する共益債権及び一般優先債権で,再生手続開始前の原因に基づいて生じたものを含む。)
ロ 特別清算開始の命令の場合……特別清算開始前の原因に基づいて生じた債権
ハ 破産手続開始の決定の場合……破産法第2条第5項に規定する破産債権(同条第7項に規定する財団債権で破産手続開始前の原因に基づいて生じたものを含む。)
ニ イからハまでに準ずる事実の場合……その事実の発生前の原因に基づいて生じた債権
(4) 法人が解散した場合において,残余財産がないと見込まれるときは,その清算中に終了する事業年度(令117の5)。
ただし,当該欠損金額が法59④)。
(5) この欠損金の損金算入は,原則として,確定申告書,修正申告書又は更正請求書に損金算入に関する明細を記載するとともに,更生手続開始の決定があったこと等の一定の事実が生じたことを証する書類の添付がある場合に限り適用される(法59⑥)。
- 「十一訂版 法人税基本通達逐条解説」のご購入はこちら
全文をご覧になりたい方は、下記ボタンからご購入をお願いいたします。
「十一訂版 法人税基本通達逐条解説」では、本解説だけでなく法人税基本通達のすべての項目に対する解説もご覧いただけます。