配当受益権のみの株式の信託受益権の価額と贈与税(1-2-3(9))

※ 本コンテンツは刊行日時点の情報に基づくものです

<問>

非上場株式の贈与を計画しており,

 現在株所有者想定被相続人

 委託者想定被相続人

 受託者想定被相続人

 受益者孫

にして信託をしようとしています。

孫はまだ0歳~3歳ぐらいで

①孫が30歳になるまで株式を処分できないようにしたい

②委託者が議決権を保持したい

との思いから信託を利用しようとしています。

信託の形態としては,委託者と受託者が同一人物になるので信託契約ではなく信託宣言という手続きで信託を実行する。というところまでは理解できました。

今回の贈与税の申告ですが,通常の孫への贈与であれば,孫は少数株主となりますので配当還元による評価で贈与できます。

ただ,信託にすると議決権は委託者である想定被相続人が保持し続けることになります。

議決権を基に少数株主の判定を行うと孫への贈与株式は,想定被相続人のままになるので原則評価となってしまうような気がします。

配当還元の主旨は,議決権行使メリットがなく配当しか期待できないからという理由だと思うのですが今回の場合,議決権は想定被相続人が持ち続けるので議決権行使のメリットが活きると思います。

ただ孫の立場になれば,配当の受益権しかメリットがないわけで配当還元でも問題ないかと考えます。

今回の場合は,議決権を除いた受益権(配当権,残余財産分配請求権)は孫に帰属するので配当還元で贈与税の申告ができると考えるのですが,この考えで問題ないのでしょうか。

(全文 文字数:1911文字)

相続税法では,信託の効力が生じた場合において,適正な対価を負………

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