改正会社法等の実務上の留意点~監査役等の観点から~

公益社団法人日本監査役協会 事務局 中村 光宏

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はじめに

本年3月5日,公益社団法人日本監査役協会(会長:広瀬雅行・株式会社日本取引所グループ取締役監査委員)は,「改正会社法及び改正法務省令に対する監査役等の実務対応」(以下,「実務対応」という)及び「会計監査人の選解任等に関する議案の内容の決定権行使に関する監査役の対応指針」(以下,「選解任指針」という)を公表した

実務対応は,当協会の監査法規委員会(委員長:一丸陽一郎・トヨタ自動車株式会社常勤監査役)及び会計委員会(委員長:三好崇司・株式会社日立製作所取締役監査委員長)における検討の上,監査役・監査役OBなどの様々な方からの助言を得て取りまとめられたものである。また,選解任指針は,当協会会計委員会において検討の上,取りまとめられたものである。

実務対応の構成

実務対応は,会社法等の改正のうち,監査役等の実務に直接関連すると思われる論点によって構成されている(別表1)。各論点においては,原則として,①法令のポイント,②適用時期,③監査役等としての留意点という3つの枠組みで構成されている。本稿では,特に重要と思われる論点について,ポイントを紹介したい。

(別表1 実務対応の構成)

はじめに第...