ミニファイル なでしこ銘柄

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経産省と東証は,女性の活躍推進に優れた企業を「なでしこ銘柄」として公表している。政府の成長戦略の一環として平成24年度より毎年実施し,26年度は40社を選定した(3月18日公表)。当該企業を「多様な人材を活かすマネジメント能力」を有する「成長力のある企業」として投資家に紹介するとともに,女性の活躍推進への取組みを加速させる狙いがある。

なでしこ銘柄は,東証一部上場企業(約1,800社)を対象に,次の方法で選定する。①女性のキャリア促進に関する実績を開示している企業を候補に,②スコアリングにより東証の33業種別に概ね5社ずつ選出,③ROE等によるスクリーニングを実施し,業種ごとに1社(企業数が多い業種からは2社)ずつ選定する。

例えば日産自動車(3年連続選定)は,女性の活躍推進を経営戦略の一環とし,「女性のキャリア開発支援」,「業務プロセスに女性の視点を反映」の2つを活動の柱としている旨を開示している。具体的な取組みとして,社内にキャリアアドバイザーを配置し,女性従業員1人ひとりのキャリアについて議論する「キャリア開発会議」の実施や,「女性従業員を対象とした研修」,在宅勤務の利用上限の拡充などを行っている。

女性の活躍推進は,「コーポレートガバナンス・コード」にも盛り込まれている。コードを実施する場合,「なでしこ銘柄」企業の取組みが参考になると考えられる。