平成27年6月総会想定問答Q&A改正会社法を踏まえた想定問答
弁護士 中村 直人
弁護士 後藤 晃輔
はじめに
最近の株主総会運営は,来場する株主の満足度向上がキーワードである。昨年も来場者数は相当程度増加しているが,総会の所要時間はそれほど長時間化しているわけではない。来場する株主のほとんどは発言をすることはない。回答に際しては,質問に立つ株主に対してだけでなく,それを聞いている大多数の株主にとって満足いく回答を心がける必要がある。
昨年の株主総会における質問は,経営政策・営業政策,配当政策・株主還元,財務状況,リストラ・人事・労務,株価動向,子会社・関連会社の順に多い。この傾向は近年ほとんど変わっていない。株主がする質問はある程度想定できる。今年も想定問答集の準備は抜かりなく行いたいところである。
今年6月の株主総会のトピックとしては,会社法制関連,コーポレートガバナンス・コード関連,会計・財務関連及び時事問題関連のテーマが挙げられる。
新会社法(会社法の一部を改正する法律(平成26年法律第90号))が,昨年6月27日に公布され,新会社法施行規則(会社法施行規則等の一部を改正する省令(平成27年法務省令第6号))も,今年2月6日に公布された。これらは,今年5月1日から施行される。新会社法へ...
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