【ASBJ/FASFレポート】 第310回  繰延税金資産の回収可能性に関する指針の公開草案の公表に向けた検討

  

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平成27年4月30日に開催された第310回企業会計基準委員会では,繰延税金資産の回収可能性に関する指針の見直しについて審議が行われた。また,ヘッジ会計の限定的な見直しや「中小企業の会計に関する指針」の改正などについての報告も行われた。

繰延税金資産の回収可能性に関する指針の見直しについては,①開示(注記)に関する進め方の検討,②適用時期等の検討,③コメント募集のための公開草案の公開期間の検討,④コメント募集及び公開草案の概要(案),⑤適用指針案の文案に分けて検討が行われた。

①に関しては,今までの企業会計基準委員会及び専門委員会で出された意見を踏まえて,日本公認会計士協会の税効果会計に関連する他の実務指針の移管に係る審議を可能な限り早急に着手して行っていく際に,税効果会計に関する注記事項の見直しの検討を行うことが事務局から提案され,検討が行われた。

②に関しては,3つの代替案(a.ハイレベルな会計方針は変更されていないとして,会計方針の変更として取り扱わないとする案,b.適用指針案の個別の条項ごとに会計方針の変更かどうかを決定するという案,c.会計方針の変更として取り扱うが,期首時点の影響額...