Q&Aコーナー 気になる論点(133) 企業情報開示の議論(2)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
経済産業省を事務局とする「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」が2015年4月23日に公表した報告書で提案している「モジュール型開示システム」とは,どのような考え方なのでしょうか。 |
それは,制度開示や任意開示による年度情報を,統合的に行うための基本的な設計思想であり,開示すべき情報の全体像を認識した上で,そこから投資家にとって必要な情報のモジュールを切り出し,適切なタイミングで提供するという考え方です。
<解説>
概要
2014年6月に閣議決定された「「日本再興戦略」改訂2014」では,日本産業再興プランの中で,緊急構造改革プログラムの施策の1つとして,「持続的な企業価値の創造に向けた企業と投資家との対話の促進」を掲げていました。これを受けて設けられた研究会は,2015年4月23日に,約130頁からなる報告書と2つの別冊(基礎資料編の概要版と詳細版)を公表しています。
報告書では,企業と投資家が質の高い対話 ① を通じて相互理解を深め,持続的な企業価値創造を行うための環境づくりとして,[図表1]を提言しています。
[図表1]
項目提言の概要望ましい企業情報開示のあり方(第三章 2)あるべき姿...
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