ちょっと役立つワインの小話 第9回:残ってしまったワインで楽しむお話

日本ソムリエ協会 ワインエキスパート/ワイン検定講師 佐久間 裕輝(米国CPA)

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前回は抜栓後のワインの保管方法についてお話をしましたが,どうしても少量のワインがボトルに残ってしまいそのまま冷蔵庫に放置されてしまうなんてこと,結構ありますよね。私の場合はセオリー通りに「白⇒赤」という順番で飲むので,自宅ではどうしても赤ワインばかりが残ってしまいます。

そこで,今回はこうした"飲み残してしまった"ワインをどうするかについてお話します。

最も一般的なのは料理に使うことでしょうか。赤ワインを残しがちな私も,トマトソースを作る際や,お肉を煮込む時などに使います。また,冬場であればシナモンや蜂蜜などを加えて「ホットワイン」として飲むのもよいでしょう。

ただ,こういった定番的な利用方法もよいのですが,ひっそりとお試しいただきたいのが,残った複数のタイプのワインを混ぜて飲んでみることです。"ワインって混ぜていいの?"と思われるかもしれませんが,2000年に開催された沖縄サミットの晩餐会にて参加8ヵ国の各国産ワインをブレンドして供されたそうですし,また,スパークリングワインの代表格であるフランス・シャンパーニュ地方で生産されるシャンパンは,その製造過程においてブドウの収穫年や種類の違う複...