IFRSをめぐる動向 第77回 IFRS第8号「事業セグメント」の適用後レビュー結果を受けた修正案の検討状況

PwCあらた監査法人 公認会計士 富田 真史

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1.はじめに

本連載は,主に国際会計基準審議会(IASB)及び米国財務会計基準審議会(FASB)の月次合同会議等での討議内容に基づき,IFRSをめぐる最新の動向を伝えることを目的としています。今回は,IASBによるIFRS第8号「事業セグメント」に関して予定されている狭い範囲の修正の検討状況について取り上げます。IASBはIFRS第8号の適用後レビュー(Post-implementation review)を実施し,2013年7月に報告書とフィードバック・ステートメントを公表のうえ,追加的な調査を行ってきました。そして2015年5月のIASB会議において,適用後レビュー手続の結果として識別された論点に対応するべく,狭い範囲の修正を行うことが提案されました。以下では,IFRS第8号の適用後レビューの結果,検討が必要として識別された論点について,その概要を確認するとともに,現在予定されている修正の概要について紹介します。

なお,文中の意見にわたる部分は筆者の私見であることをあらかじめお断りしておきます。

2.IASBによる適用後レビューの概要

IASBによる適用後レビューとは,国際財務報告基準(I...