上場会社にきく!コーポレートガバナンス・コードへの取組み CASE2 株式会社クレオ

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<編集部より>

コーポレートガバナンス・コード(CGコード)における73原則のうち,JASDAQやマザーズなど新興市場の企業に対しては,5つの「基本原則」についてのみコンプライ・オア・エクスプレインが求められる。新興市場における初の開示事例は,株式会社クレオ(JASDAQ)だった。同社は6月18日付で提出したCG報告書において,基本原則5つを遵守する旨を明らかにするとともに,その他の原則にも3項目対応し取組みを開示している。本誌では,CGコードへの取組みについて同社広報・IR担当にインタビューを実施した。以下,ご覧いただきたい。

―基本原則以外の3項目を開示したきっかけとその理由をお聞かせいただけますか。

CGコードについては,JASDAQ企業の場合は基本原則のみ対応が求められておりましたが,東証のガイドラインには他の原則について"記載することも可"とあったことを前向きにとらえ,記載することといたしました。

弊社の基本方針として「経営の透明性の向上」を掲げており,今後IR情報に限らず,公開する情報の量・質の改善に努めていきたいとの基本的な考え方があります。その上でコードの各原則については,今後JASDAQ上場企業に対しても求められる基準が上がることも想定し,少しでも前倒しで各原則への対応を進める方針としております。これを踏まえ,現時点ではまだ3項目ではありますが,これを開示することは投資家の皆様に弊社の姿勢をお伝えする上で有益と考え記載いたしました。

―補充原則5-1-3に対応する「株主アンケート」についてお聞かせください。

たとえば,性別や年齢,保有株式数や期間,株式購入動機,今後の保有方針,普段どのような情報源から当社の情報を入手しているか,今後どのような情報の充実を希望するかなど,10項目程度についてハガキで実施いたしております。弊社ではしばらくこのようなアンケートを実施していなかったため,現在の「株主像」を把握することを目的として実施いたしました。

―株主アンケートの結果,どのような成果が得られましたか?

6月の株主総会後,1カ月間株主様からのご返信をお待ちし,現在(8月5日時点)回収が終わり内容の集計,分析を行っているところです。「当社についてのご意見・ご要望」という欄にご記載いただいた内容に目を通しておりますが,「○○に期待している」,「○○に対する会社の方針が分かりづ...