厳選!現場からの緊急相談Q&A 第21回 ヘッジ会計(その2)

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 内田 彰彦

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経理部員 :当社は従来,変動金利借入金のキャッシュ・フローの変動を回避するために金利スワップを行ってきましたが,ヘッジ会計を適用していませんでした。今後は,要件を満たすものについては,金利スワップの特例処理を適用したいと考えております。金利スワップの特例処理を適用する上での留意事項を教えて頂けますか?
会計士 :それでは,金利スワップの特例処理を適用する上での要件を確認したうえで,貴社で論点になりそうな点につき,検討していきましょう。

(文中の意見にわたる部分は,筆者の私見であり,筆者の所属する法人の見解ではないことをあらかじめお断りします。)

Q1金利スワップの特例処理に関する留意事項

当社は,契約期間10年で前半4年が1%,後半6年がLIBOR+3%の借入れを計画しており,借入れと同時に金利スワップ(受取:前半4年が1%,後半6年がLIBOR+3%,支払:10年で4%)を締結することにより,将来のキャッシュ・フローの変動を完全に回避することを考えております。これについて金利スワップの特例処理を適用することは可能でしょうか。また,金利スワップの特例処理を適用する上での留意事項についても確認させて...