開示規制違反に係る課徴金事例集について
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証券取引等監視委員会(以下「証券監視委」という。)は,有価証券報告書をはじめとする各種開示書類の提出者等に対して開示検査を実施しており,重要な事項についての虚偽記載等が認められた場合には,内閣総理大臣及び金融庁長官に対して,課徴金納付命令等を行うよう勧告を行っている。
本稿では,証券監視委が平成27年8月28日公表した「金融商品取引法における課徴金事例集~開示規制違反編~」に基づき,課徴金納付命令勧告の状況及び不適正な会計処理の概要等を紹介したい。
なお,本稿中の意見にわたる部分は,私見であることをあらかじめお断りしておく。
1.課徴金納付命令勧告の状況
(1)総論
平成17年4月に課徴金制度が開始されて以降,証券監視委は平成27年6月末までに,開示規制違反等に対して89件,計82億8,730万9,979円の課徴金納付命令勧告(開示規制違反関係)を行った。
勧告の内訳は「開示書類の虚偽記載」に対するものが85件,「開示書類の不提出」に対するものが3件,「公開買付開始公告の不実施」に対するものが1件である(表1参照)。
(表1)課徴金納付命令勧告の内訳(単位:件)
年度18192021222324252...
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