会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令の解説

‐平成28年法務省令第1号‐

法務省 民事局付 堀越 健二
法務省 民事局付 野澤 大和
法務省 民事局付 邉 英基
法務省 民事局調査員 坂本 幸寛

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1 はじめに

平成28年1月8日,会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令(平成28年法務省令第1号。以下「本省令」という)が公布された。本稿は,本省令による改正の概要について解説するものである。なお,文中意見にわたる部分は,筆者らの私見である。

2 会社計算規則の改正

(1) 改正の背景

企業会計審議会が平成25年6月に公表した「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針」において,我が国のIFRSに関する意見発信強化のための方策の一つとして,IFRSのエンドースメント手続①を導入し,エンドースメントされたIFRSを作成することが提言されたことを踏まえ,企業会計基準委員会(以下「ASBJ」という)が,平成27年6月30日,エンドースメントされたIFRSとして,「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」(以下「修正国際基準」という。英文名称:"Japan's Modified International Standards(JMIS):Accounting Standards Comprising IFRSs an...