有価証券報告書 作成上の留意点(平成28年3月期提出用)
公益財団法人 財務会計基準機構 企画・開示室 高野 裕郎
( 20頁)
Ⅰ はじめに
財務会計基準機構では,FASFセミナー「有価証券報告書作成上の留意点」を4月1日から15日にかけて全国9か所11回にわたり開催した。本稿は,主に同セミナーで説明した内容を基に,平成28年3月期有価証券報告書の作成上の留意点についてまとめたものであり,「企業結合に関する会計基準」(以下「企業結合会計基準」という)等の適用に関する留意点や,企業会計基準委員会(以下「ASBJ」という)から税効果会計に関する適用指針が公表されたことに伴う留意点を中心に解説する。
なお,文中意見にわたる部分は私見であることをあらかじめお断りしておく。
Ⅱ 企業結合会計基準等を適用する場合の留意点
平成25年9月13日にASBJから企業結合会計基準及び関連する他の会計基準(以下「企業結合会計基準等」という)の改正が公表されており,主に次の項目が改正されている。
①非支配株主持分の取扱い
(1)支配が継続している場合の子会社に対する親会社の持分変動に関する会計処理の見直し (2)当期純利益の表示等の表示項目の変更 ②取得関連費用の取扱い ③暫定的な会計処理の確定の取扱い |
適用時期については,①非支配株主持分の取扱い及び②...
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