ミニファイル 賞与引当金と税効果

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税効果会計における一時差異の発生要因として,賞与引当金がある。賞与引当金は,会計上の費用として認識されるが,税務上は支払われるまで損金として認められない。そのため実際に賞与が支払われるまでの間,会計と税務間に差異が生じ,これが税効果会計の対象となる。

賞与引当金は実際に支払った年度の税額を減らす効果があるため,将来減算一時差異に該当し,回収可能性があれば繰延税金資産を計上する。この際,繰延税金資産はその発生要因である賞与引当金の表示区分に基づき,流動資産へ表示する。これは,日本の慣行において賞与は1年を超えて支給されることはなく,賞与引当金は流動負債に計上されるためだ。つまり,回収可能性の判断は...