ガバナンス報告書に見る日経500銘柄のCGコード実施状況 ― 適用2年目を迎えて ―

株式会社プロネクサス ディスクロージャー研究部  籠島淳矢

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Ⅰ はじめに

3月決算会社においては,コーポレートガバナンス・コード(以下,CGコードと言う。)の適用が開始されてから2回目の定時株主総会が終了し,コーポレート・ガバナンスに関する報告書(以下,ガバナンス報告書と言う。)の提出が完了した。

本稿は,本年7月末までに提出された日経500銘柄のガバナンス報告書を対象に調査を行い,3月決算会社のCGコード対応のガバナンス報告書の初回の提出期限であった昨年12月末での調査結果(本誌No. 3246 ・2016年2月1日掲載)と比較し,CGコードの実施状況等の変化を明らかにするものである。

なお,本稿において意見にわたる部分は筆者の個人的見解であり,所属する企業の見解ではないことをあらかじめお断りする。

調査概要◇調査対象日経平均株価採用銘柄500社(本年7月末時点)のうち,CGコード対応のガバナンス報告書を提出した479社。各社のガバナンス報告書は,本年7月末までに最終更新されたものを参照している。◇数値表示各項目に表示されている数値は社数を示している。括弧を付している数値は,各項目の母集団に対する構成比であり,小数点第2位以下を四捨五入して表示している。...